落ち着きを取り戻したいとき「目標タイム」の設定は必要でしょうか。
落ち着きを取り戻すなら、できるだけ早く達成したいもの。
「3分で興奮を抑えたい」
「10分で落ち着きを取り戻したい」
目標タイムを設ければ、それが目安となり、気合も入るように思われます。
目標タイムの存在は、仕事も勉強でもスポーツでも、やる気やモチベーションを高めることで知られています。
目標タイムが具体的であるほど心理作用も強くなるため、プラス効果もアップします。
落ち着きを取り戻したいときも目標タイムを設定したくなるかもしれませんが、ここは大切なポイントです。
落ち着きを取り戻すときに限っては、目標タイムに注意したほうがいいでしょう。
タイムプレッシャーが生まれ、落ち着きの妨げとなる可能性があるからです。
目標タイムを意識すればするほど「早く冷静にならなければ!」と焦ります。
はらはらどきどきしてしまうため、なかなか心拍数が安定しません。
目標タイムが短ければ短いほどタイムプレッシャーも強くなります。
目標タイムを過ぎてしまうと「達成できなかった。情けない。どうして私はこんなにダメなのだろう」と自責の念に駆られます。
自己嫌悪に陥ったり自己肯定感を下げたりする可能性もゼロではありません。
なかなか落ち着きを取り戻せないだけでなく、余計な自責の念・自己嫌悪に苦しめられることになりかねません。
タイムプレッシャーは落ち着きの大敵です。
良かれと思って掲げた目標タイムが、落ち着きの足かせとなります。
落ち着くどころか、ますます興奮が助長され、逆効果となることも少なくありません。
落ち着きを取り戻すとき、目標タイムを設けないのが賢明です。
勝ち負けや1分1秒を争うものではありません。
目標タイムを設けないほうが、落ち着きを取り戻すことに集中しやすくなります。
強いて考えるなら「できるだけ早く落ち着きを取り戻したい」という程度にしておくのが無難です。
目標タイムは、具体的であるほどよいと思われがちですが、あえて抽象的にしておくことがプラスに働くケースもあります。
目標タイムを設けないほうが、結果として早く落ち着きを取り戻せます。