人生では、けがや病気をして寝込むことがあります。
部屋の中にじっとすることになり、自由が制限されることになるでしょう。
窓から見える景色がいつもよりまぶしく感じたり、遠く恋しく感じたりするものです。
状況によっては、しばらく病院で入院生活を送らなければいけないこともあるでしょう。
一時的に普通の生活を送れなくなり、仕事や勉強に遅れが生じるでしょう。
非生産的な時間を過ごしているような気持ちになり、もんもんとするかもしれません。
じっとしているのも、なかなか大変なことです。
肉体的にも精神的にも苦しさが続いて、大きなストレスを感じるでしょう。
しかし、非生産的な時間というのは大げさです。
けがや病気でダウンしているときは、こう考えましょう。
「人に優しくなる気持ちを育てる時間」と。
療養中は自分を責めてはいけません。
健康な人を妬んだり恨んだりすることもよくありません。
健康な人が羨ましい気持ちの反動で負の感情を覚えるかもしれませんが、自分がつらくなるだけです。
負の感情は免疫力を下げ、療養の妨げにもなります。
病気で寝込んでいるときがあるとします。
しばらく不自由な生活を送ることになりますが、その不自由な時間にも意味があります。
「人に優しくなる気持ちを育てる時間」です。
気づきにくいかもしれませんが、少しずつ自分の中で「優しい心」が育っています。
心は目に見えるものではありませんが、確実に自分の中で優しい心が育っているので安心してください。
それに気づくことが大切です。
けがも病気も、いつか治る日がやってきます。
回復後は、きっと今までより人に優しくなることができているでしょう。
同じ境遇の人がいたとき、複雑な気持ちを理解できるようになります。
焦りや不安、悔しさや悲しさなど、経験した人にしかわからない感情があります。
人は、機械やコンピューターでもなく、生き物です。
けがや病気の種類は違っていても、そのときの複雑な気持ちを想像することができます。
「そうだよね。つらいよね。私にも同じ経験があるよ」
優しい声をかけることができ、親身に接することができるようになるでしょう。
ちょっとしたことに思えますが、優しい気持ちが育っていないとできないことです。
自分の過去の実体験と重ねることができるようになり、自分事のように感じることができます。
「とてもそう思えない」と思うかもしれませんが、必ずそう思える日がやってきます。
けがや病気になってしまったことは仕方ありません。
しばらく動けずもんもんとするかもしれませんが、じっと耐えるときです。
筋力・体力はちょっと衰えるかもしれませんが、完治してからリハビリやトレーニングに励めば取り戻せることでしょう。
人に優しくなる気持ちを育てる時間と思って、今はじっくり療養に専念してください。
療養しているときしか育たない心なのですから「今がチャンス」と思って、優しい心をじっくり育ててください。
そうすれば焦りや不安の気持ちが少しは落ち着きます。
療養が長期になれば、それだけ人に優しくなる気持ちも大きく育つでしょう。
完治の後、あなたの心は一回り大きくなっています。
けがや病気でダウンしているときは、心の成長時間です。