長く生きていれば、世の中のほとんどのことが「真似でできている」と言うことに気づきます。
歌、言葉、文章の構成、ファッション、絵画、家具や音楽など、挙げれば切りがありません。
本当に新しく1から創造したことなどほとんどなく、人間は常に真似をして身につけ、組み合わせて生きています。
たとえば言葉です。
あなたは生まれてすぐ言葉を覚えましたが、これもれっきとした真似の1つです。
生まれてから自分で言葉を作り、音を考え、漢字を作ったりするには、時間がかかりすぎます。
あるいは一生かかってもできないかもしれません。
発音も漢字も、文字の並びや意味など、それらはすべて先人が考えて、親があなたに教えてくれました。
発音も親の真似をして覚え、言葉を身につけていきました。
考え方も同じです。
本を読んで知恵を身につけるとは、本に書かれていることを自分の頭の中にも取り入れるということであって一種の真似なのです。
仕事のできる人は、仕事のできる上司を見つけ、真似ることが得意な人です。
どうすればいいのかわからないときには、できる人の真似をすればいいのです。
仕事のできる人の真似をすれば、単純に同じくらい仕事ができるようになります。
歌を上手に歌うことも、上手に歌えている人の真似をすることから始まります。
口の動き、抑揚のタイミング、声の出し方など、真似から始めていきます。
絵を描くこと、彫刻を彫ること、文章を書くことなども同じで、真似をすることから始めないと、素早い上達は見込めないのです。
真似を積極的に受け入れて、よいものはどんどんと自分の中に取り込むことです。
本を読んで視野が広がることも、著者の考えを知り、自分の中に取り入れたからです。
「真似をしている」ということです。
短い人生の中で、何かを身につけるためには、できる人の真似をしてそれを元に次のステップを踏むことが重要なのです。