頭が固い人には、物事の是非を極端に考える傾向があります。
「白黒で物事を考えたい」
「選択肢は、0と1のどちらかしかない」
「すべてやるか、まったくやらないか」
中途半端な状態を避け、明確な状態にしようとします。
特に極端な考え方は、真面目な人や完璧主義者によく見られます。
極端に考えれば、曖昧で中途半端な状態がない分、見やすくなったりわかりやすくなったりします。
もちろん極端な考え方が有効な場面もあります。
物事の是非を明確にすることで、行動や考え方も明確になります。
はっきりすると、心の整理もしやすく、行動しやすくなるでしょう。
また、ビジネスでは、曖昧や中途半端を避け、明確にしなければいけない場面も多い。
具体的な指示を出したり、明確な選択肢を提示したり、ストレートな回答を求めたりなどです。
お金と責任が伴うことは、明確にしなければいけない場面があるのも事実。
極端に考えなければいけない場面もありますが、だからとはいえ、一般的に考えるのは注意したほうがいいでしょう。
極端な考え方が普通になると、思考の柔軟性に悪影響を及ぼします。
ささいなことにいちいちストレスを感じるだけではありません。
二者択一の極端な選択しかできなくなると、視野が制限され、想像力や発想力の幅を狭めます。
物事の考え方が窮屈になり、頭が固くなってしまうのです。
両極端にしか考えられない状態が続くと、落とし穴に落ちるのは時間の問題でしょう。
そこで大切にしたいのは「中間の考え方」です。
物事には、0や1だけでなく、中間が存在します。
むしろ中間のほうが大部分を占めると言っていいでしょう。
曖昧な状態に思えますが、中間を受け入れることも、大切な価値観です。
中間の考え方を持つと、許容範囲が広がって、頭が柔らかくなります。
たとえば、白か黒かで考えるのではありません。
白と黒の混ざった「灰色」も大切にしましょう。
0か1かで考えるのではありません。
「0.3」や「0.7」も許容範囲にしましょう。
「すべてやるか、まったくやらないか」で考えるのではありません。
様子を見ながら、やったりやらなかったりする状態もあっていいでしょう。
これが、中間の考え方であり、幅広い価値観を受け止めるということです。
中間の考え方は、ストレスの多い現代社会を生きるためのスキルとしても有効です。
慣れないうちは、中間が中途半端に感じて違和感を覚えますが、最初だけです。
中間の考え方が身につくにつれて、いらいらすることも減って、ストレスが軽くなります。
慣れてしまえば、むしろ中間が心地よく感じるでしょう。
中間の考え方を持つと、価値観の許容範囲が広がり、頭も柔らかくなっていくのです。