あなたは「直感」というものを、単なる偶然だと思っているのではないでしょうか。
初めに結論から言ってしまいますが、直感は偶然ごとではありません。
直感は、今までの過去すべてをバックにした、大変意味のある答えです。
人間には潜在意識の奥深くに潜む記憶があります。
ものの10年も生きた人なら、それ以前に経験として蓄えられた記憶が、脳の奥深くに蓄積されています。
ほとんどの人が昔のことは「忘れた」と言いますが、人間は一度経験したことは死ぬまで忘れないようになっています。
直感とは、過去にたくさん経験したことが脳の奥深くにしまいこまれている潜在意識です。
直感という言葉は曖昧ではありますが、単純な話をすれば、自分の過去の経験からはじき出される感覚にすぎないのです。
直感力を磨きたければ、単純な話、いろいろな経験をたくさんすればいいのです。
矛盾した面白い話ですが、人生の中ではいい経験ばかりをして生きたい人がいます。
その気持ちはわかります。
どうせ生きる人生なら、毎日嬉しさや楽しさにあふれる日々であるほうが、よいに決まっています。
水道管の中にさびができていると、水も勢いよく流れ出てきません。
本来のように水が勢いよく流れ出てくるためには、まずさびを取らないと、水は少ししか出てきません。
実は直感でも同じことが言えます。
今までに経験したことのない初めての体験というのは、生活の中ではよく登場します。
初めて行ったお店で見る初めてのメニューでは、どれが一番おいしいのかがわかりません。
そんなときには、とにかく気になるものを片っ端から試してみればいいのです。
直感力の冴えている人は、あらゆることに意味があると感じています。
言い換えれば「自分に結びつけて考えることができている」ということです。
よい出来事も悪い出来事も、今の自分にとっても何かの警告だと感じ、意味を読み取っていくのです。
今のあなたは、つまりは「結果」です。
今までの行いや経験を過去に繰り返し、その結果「今のあなた」がいるわけです。
ある日突然今のあなたが存在しているということはなく、過去のあなたがいくつも積み重ねられた結果ということです。
「無駄」という言葉は効率を考えるときに出てくる言葉です。
少しでも効率よくやりたいときに、必要のない物も出てきます。
それらを一般して「無駄」と呼びます。
これは旅行をしている人によくありがちな話です。
たとえばニューヨークに旅行し、美術館に行ったと自慢している人に限って、地元にある美術館は未体験です。
ニューヨークという名前の響きだけに引かれて、ニューヨークの美術館に行ってきたと自慢しているのです。
自分の身銭を切って物を買うというのは、一種のギャンブルです。
何を買うかで自分の未来が決まってしまうという、大きな賭け事なのです。
たとえば今の楽しみだけのために、キャバクラに通っていることは大きなお金の浪費へとつながります。
小学校で習う算数の一番はじめの授業では「1+1=2」という基本的な計算を教えてくれます。
私が小さかったころは、素直に「2」と答えていました。
しかし、当時の同じクラスには、ひねくれた答えを出す高岡君という人がいました。
人は、人から褒められたい欲求があります。
人から褒められ認められることで、自分の価値を感じ、自己満足ができるからです。
ほとんどの人が、自分が楽しむことより、どれだけ他人から見て尊敬されることであるかと重視しています。
私の人生には「過去」と「現在」があります。
今まで生きてきた過去が無意識のうちに蓄積され、最終的な決断をする材料になっています。
私の場合、過去のすべてを今すぐ思い出すことはできません。
直感的に生きるとき、決断は必ず自分が下すようにしましょう。
自分の直感は、自分が感じるもの。
自分の直感を、代わりに他人が感じることはありません。
「なんとなく」と似ている言葉に「気が進む」という言葉もあります。
「気が進む」という言葉も、同じく直感的な言葉の1つです。
自分が楽しいな面白そうだなと感じることは、決まって「気が進み」ます。
直感人は、中途半端な物を嫌います。
中途半端とは、好きでも嫌いでもなく、曖昧であるということです。
直感を大切にしている人は、好きか嫌いかがはっきりわかれます。
直感的に生きることは自分に素直になって生きることです。
しかし、注意してほしいのは、だからとはいえ何でもかんでも自分の欲に振り回されて生きることではありません。
直感的な感性を大切にするときに、大切な注意ポイントが1つだけあります。
直感が働くその背景には、膨大な過去の記憶があります。
普段は潜在意識の中に埋もれ「忘れてしまっている」と感じています。
しかし、実は忘れてなどおらず、そのときの話を出すと「そんなこともあったな」としっかり「思い出し」ます。
計画的に生きている人は、計画どおりに進まないと気がすみません。
旅行に行くときは、計画をきっちり立てて、実際にそのとおりに動かないと気が進みません。
予定外の出来事が起ころうものならバスの添乗員に「困るではないか!」と怒ります。
説明が下手な人は、往々にして言葉だけを使って伝えようとします。
あれこれと言葉ばかりを並べ、十分に説明ができると思っています。
しかし、説明される側としては、初めて触れる知識ほどイメージが湧きません。
物を買おうかどうしようかと迷えば迷うほど、決断できなくなるのが人間です。
考えすぎると欠点ばかりを探し出すようになり、どうも決断しない方向へ偏りがちになります。
迷うことは、直感的ではありません。
直感は、行動する人のみ与えられる「神様からのささやき声」です。
「こうしたほうがいいんじゃないの」と一瞬ですが、ささやき声が聞こえてきます。
それは「なんとなく」という感覚であり「気が進む」という感覚です。
直感ではどんな経験も大切です。
苦い経験、甘い経験、楽しい経験、面白い経験、嫌な経験もすべてです。
たくさんの経験が記憶として頭の中に蓄積され、今後のあなたの強さへと変わります。
1つだけの経験に限られてしまっては、直感の幅が狭くなります。
1種類の物事しか経験していなければ、それだけしか知らないということになります。
直感とは、過去の膨大な記憶を総合して一瞬現れる氷山の一角です。
部屋の中にあるたくさんのいらない物は、いつしかあなたの中から直感力を奪っていきます。
いらない物を見ると「いつか片付けなきゃ」「何とかしないと」と一瞬ですが、頭の中で考えています。
一つ一つは小さなことでも、何度も何回も繰り返され積み重なると、結構なストレスとなるのです。
直感的な人は、自分が成功するより先に仲間を成功させます。
他人の仕事の協力をしたり、お手伝いをしたりして、人のために動くことができるのです。
人間はつい自分のことばかり考えてしまい、独りよがりになりがちです。
勝負には、必ず勝ち負けと勝敗がわかれます。
普通なら当然勝ちたいと思うところです。
しかし、直感人はそうでもないのです。
直感はやる気と同じように、沸いて出たその瞬間に使い切るのが上手な使い方です。
生ものであり、ずっと同じ状態が続くとは限りません。
直感はぱっとひらめくといった瞬間的な出来事です。
人間は、今まで経験したことのないことには、直感も鋭く働いてくれません。
なにせ経験したことのないことは、過去にも記憶がないということで直感も出番がないわけです。
せいぜい似ている経験から直感が生まれるということはあっても、実際に経験したときに比べれば劣るものです。