「迷惑をかけないで生きなさい」
人生の先輩たちからよく言われる言葉です。
たしかに誰かの迷惑になる行為はよくありません。
人の迷惑になる行為は、できるだけ避けたほうがいいでしょう。
しかし迷惑になる行為を減らすことはできても、まったく迷惑をかけないで生きるのは不可能です。
生まれてから一度も人に迷惑をかけたことがない人は、地球上に1人もいません。
生きているかぎり、大なり小なり、誰かに迷惑をかけることになります。
人間は、不完全な生き物です。
誰でも失敗したり間違えたりすることがあり、うっかり迷惑をかけることがあります。
親に迷惑をかけながら、成長してきました。
先生に迷惑をかけながら、学力をつけてきました。
先輩や上司に迷惑をかけながら、仕事を覚えていきました。
多くの人に迷惑をかけたおかげで、今を生きることができています。
生きるうえで人に迷惑をかけるのは普通のこと。
中には「ごめんなさい」と謝れば、問題なく済むこともあります。
「迷惑をかけないで生きる」と考えるのではありません。
「自分も迷惑をかけることがあるから、人の迷惑を受け入れよう」と考えましょう。
そうすれば、自然と優しい気持ちになれます。
迷惑なことがあっても「自分も人のことは言えない。お互いさま」と思えるようになります。
小さなことにはこだわらず、どんどん許していきましょう。
「大丈夫ですよ。気にしないでくださいね」という一言で、相手は救われます。
にこにこしながら言うことができれば、完璧です。
少々のことではいらいらしなくなり、人間関係も向上します。
迷惑をかける抵抗が小さくなることで、心理的な障壁が低くなり、行動しやすくなります。
迷惑をかけることに、過剰な罪悪感を持たないことです。
誰でも迷惑をかけながら生きるのが当たり前。
人に迷惑をかけて生きる代わりに、自分も人の迷惑を受け入れるようにするのです。