緊張する場面に限って、下痢になる経験はありませんか。
たとえば、試験前・試合前・面接前・スピーチ前・プレゼン前などです。
緊張すると、体に多少の違和感が生じるのは普通です。
時には腹痛を起こすこともあるでしょう。
ただし、腹痛だけでなく、下痢まで起こるなら注意が必要です。
緊張する場面に限って下痢になるなら「過敏性腸症候群(IBS)」の可能性が疑われます。
一言で言えば「ストレス性の下痢」です。
人は強い精神的ストレスを受けると、自律神経の働きが乱れます。
多くの場合、一時的な不快感や情緒不安定という程度で済みますが、体質によって胃腸が強く悪影響を受ける場合があります。
その結果、下痢を引き起こしやすくなるのです。
大切なのは「過敏性腸症候群は病気である」という点です。
「性格の問題」「仕方ない」「治らない」と決め付けないことです。
市販の下痢止めで対処するのもいいですが、あくまで応急処置です。
下痢止めは、緩和であって治療ではありません。
また過敏性腸症候群は病気であるため、胃腸薬や下痢止めを使っても効かない事例も多数あります。
病気の自己診断は危険です。
個人が自己判断で直そうとしても、かえって悪化させる可能性もゼロではありません。
この病気は、ストレスを受けたときに発症するため、血液検査や内視鏡検査では身体的な異常が見つかりにくい特徴があります。
過敏性腸症候群の疑いがあるなら、早めに専門医を受診しましょう。
過敏性腸症候群は「消化器内科」が一般的です。
正しい治療を受ければ、症状の改善も期待できます。
早期発見と早期治療が重要です。