東京には「デートスポット」と言われる代表的な場所があります。
お台場、六本木ヒルズ、恵比寿ガーデンプレイスなどです。
美しい景色を楽しみやすく、ロマンチックな雰囲気を演出しやすい場所です。
そんなデートスポットには、いつもカップルたちが大勢います。
しかし、不思議なことによく見てみると、どのカップルも写真を撮ることばかりに夢中になっています。
目の前にはすてきな景色が広がっているというのに、夢中になっているのは景色ではなく、写真なのです。
これではきれいな景色を見に来たのか、写真を撮りに来たのかわかりません。
デートで写真を残すことばかり考えていると「今この瞬間」を楽しめなくなります。
写真を残すくらいなら、思い出を残すことです。
思い出は写真とは違い、撮る手間がありません。
好きな人と一緒に感動をしていることそのものがすてきな心の写真となり、思い出として残るのです。
私の場合、デートに限らず普段のときから、めったに写真は撮りません。
私そのものが最高のカメラとなり、経験としてまるごと残すことができるのが思い出の良いところです。
また思い出は、必要なときに自然にふわりと出てきてくれます。
友人と昔話をしたとき、一瞬で頭に浮かびます。
これが写真なら、わざわざアルバムを出して探さなければなりません。
それも残せば残すほど、場所を取ってしまい整理が大変になります。
しかし、思い出なら、整理をする必要も、消えることもなく、時間もお金もかからないのです。
これが、思い出という心の写真の良いところです。
写真は必要と限りませんが、すてきな思い出は必要です。
夢中になるべき瞬間は、写真を撮ることではなく「今この瞬間」です。
写真を撮る暇があれば、恋人と「今この瞬間」を精いっぱい楽しみ、思い出として残すほうがいいのです。