絵は、見ることで感動を味わいます。
音楽は、聞くことで感動を味わいます。
ワインは、飲むことで感動を味わいます。
何に感動するのかというと、作り手のこだわりです。
私は「ワインは芸術作品だな」と思います。
絵画にせよ、音楽にせよ、芸術作品というのは、こだわればこだわるほど時間も手間もお金もかかります。
ワインを作る際、どのようなブドウから、どのような製法で作るのかは、作り手の判断に委ねられます。
おいしいワインに出合ったとき、作り手のこだわりが感じられます。
偶然できたおいしいワインではありません。
努力が積み重なってようやくできた、おいしさです。
ワインも、芸術の領域です。
ワインほど、作り手の熱意が伝わりやすい飲み物はありません。
汗と涙の結晶。
ワインを飲んでいると、作り手のこだわりをそのまま味わっているような感覚になります。
ワインそのものの味もありますが、そういう味を出すようにした作り手の熱意が伝わってくるような気がします。
そのとき、ふとワインのラベルに目をやると、生産者の名前が書いてあることがあります。
見たことも話したこともない人ですが、ひしひし伝わってくるこだわりや熱意に、感服してしまうのです。