私の家の近くに、とあるイタリアレストランがあります。
その前を通りかかると、楽しそうに話をするお客をいつも見かけます。
フォーマルなレストランと言えば、落ち着いていて堅苦しい印象があります。
そのイタリアレストランに限っては、いつも楽しそうに話をする客層が目立っていました。
自宅の近くですから、頻繁にレストランの目の前を通ります。
いつも、お客さんの楽しそうな笑顔が気になって仕方ありません。
なぜだろうと思い、入店してみました。
すると、給仕やソムリエたちの会話が上手なのです。
オーダーの際、食事を味わうアドバイスを教えてくれたり、友人との会話を盛り上がるような話をしてくれたりします。
フォーマルなレストランといえば、給仕やソムリエが落ち着いているイメージがあります。
しかし、そのレストランでは、給仕やソムリエが場の雰囲気を和ませてくれるような笑顔を見せてくれるのです。
アドバイスをしてオーダーの手助けもしてくれます。
ちなみにそのレストランでは、食後、テーブルから退席をする際、わざわざ店の外まで出て見送ってくれます。
細やかなサービス精神に驚きました。
「そこまでしてくれるのか」と感動したものです。
レストランが人気だったのは、そこにいる人だったのです。
それ以来、頻繁にそのレストランへ行くようになりました。
「おいしい料理が食べたいな」という気持ちもありますが「またあの笑顔が見たいな」と思いレストランへ向かうようになりました。
料理に出会いに行くというより、人に会いに行くという感じです。
そのレストランは、いつも大勢のお客で賑わっています。
おそらく私と同じではないでしょうか。
料理より人に会うためにレストランへ向かっている。
料理や雰囲気は大切です。
しかし、それ以上に大切なのは「人」であると感じたのです。
給仕やソムリエたちの笑顔は、どんな料理もかないません。
それが一番の満足感をもたらすものです。