食事中、うっかり手を滑らせて、ナイフやフォークを落とすことがあります。
落としてしまったことは仕方ありません。
人間ですから、うっかりはあります。
問題なのは、どう拾うかです。
本来、フォーマルなレストランなら、落とした瞬間に給仕が気づき、呼ぶまでもなくさっと取り換えてくれます。
しかし、状況によっては、必ずしもすぐ気づいてくれるとは限りません。
慣れないうちは「給仕に拾わせるのは申し訳ない。呼ぶのも面倒」と思います。
しかし、気にする必要はありません。
そっと手を挙げて給仕を呼び、新しいものに交換をしてもらいましょう。
たとえ床の上に落ちたときでなく、椅子の上に落ちたときも同じです。
椅子の上くらいなら、つい自分で拾ってしまいそうですが、これもマナー違反なのです。
それは、自分のためであり、同席している人のためであり、レストランの雰囲気のためなのです。
もし意地を張って、自分で拾うとどうでしょうか。
落ちたものを拾う行為は、自分が恥をかくことになります。
自分は恥をかいてもいいかもしれませんが、同席者が恥ずかしいのです。
周りの人から見れば「そういう下品な行為をする人と一緒に食事をしている人」と思われます。
同席者に恥をかかせることになり、迷惑します。
フォーマルなレストランでは、雰囲気を大切にします。
落としたものを拾うしぐさは、フォーマルなレストランにふさわしくありませんね。
給仕はレストランの雰囲気作りにも重要な役割を果たしているので、気兼ねなくお願いをして問題ないのです。