親がしつけるとき、よく口にしがちな言葉があります。
「お行儀よくしましょう」です。
多くの親たちが、子どもに対して口にしているのを見かけます。
品行方正のある子どもに育ってもらいたい思いから、親としては「お行儀よくしましょう」と言います。
しかし、言われた子どもはどうでしょうか。
おそらくとっさに理解できず、ぼうっとするはずです。
子どもの立場になって考えてみれば、理由はすぐわかります。
生まれて、まだほんの数年です。
何が行儀よくて、何が悪いことなのか、よくわかっていません。
もちろんある程度の年齢になれば、まだ話は通じますが、幼い子どもに対しては理解の難しい話です。
それは「行儀の善しあし」をわかる年ごろになってから、通じる言い方です。
まだ行儀の善しあしがよくわかっていない子どもに、何が行儀よくて悪いのかを議論するのは、早すぎます。
親がいくら「お行儀よくしましょう」と言っても、子どもは何をどうすればいいのかわからない。
だから、困り果ててしまいます。
では、どうするか。
「行儀の善しあし」という教え方ではなく「行儀のいい動き」を教えます。
型です。
難しい理屈は抜きにして「こういうときにはこうするものだ」という「行儀のいい動き」を教えます。
「そういうものだ」という一連の動きの流れをセットとして、叩き込みます。
子どもの理解力に余裕があれば、理由を付けて教えてもいいですが、なくても結構です。
子どもとしては、別に行儀よく行動しているつもりはありません。
ただ単に、親から言われたとおりに行動しているだけです。
しかし、それだけで自動的に行儀のよい子へと成長できます。
難しくはありませんね。
初めは、そこからでいいのです。