高校2年のころ、教室は2階にありました。
1階には文具店があり、コピー機も置いていました。
近場ということもあり、そこに置いてあるコピー機はよく使っていました。
毎日使っていたような気がします。
初めは、コピーのほうが持ち運びに便利だろうなと思い、軽い気持ちで使っていました。
参考書の1ページを抜き出してコピーして、電車の中や休み時間など、時間のあるときに見返していました。
すると、思わぬ効果があることに気づきました。
なぜかコピーしたページに限って、いつもより頭に入ることに気づきました。
コピーを取るだけですから、参考書に書いている内容と違いはありません。
しかし、コピーで抜き出すことで、抜き出した部分に対して集中が向きやすくなり、頭に入りやすくなります。
虫メガネで太陽の光を集めているようなイメージです。
「覚えよう! 理解しよう!」とする集中力が、抜き出したページに集まるため、強い力を発揮します。
コピーを取ると、持ち運びが便利になります。
紙1枚ですから、折りたたんでポケットにも入れられますし、重いと感じることもありません。
通学中の電車の中、ささいな待ち時間、お風呂やトイレという場所への持ち運びが可能になり、復習回数が自然と増えます。
汚れたりしわしわになったりすれば、またコピーをすればいい。
そうした心理も働き、結果としてよく頭に入るのでした。