街を歩いていると、ブランドを身につけている人たちを見かけます。
しかし、ブランドを身につけて「かっこいいな」と思う人もいれば「頭が悪そうだな」と感じてしまう人もいます。
両者は、ブランドを身につけているところまでは同じです。
にもかかわらず、なぜ印象に差が出てしまうのでしょうか。
「知性を感じられるかどうか」です。
センスのいいファッションには、高い知性が要求されます。
まずその人に「主張」と「目的」があることが前提です。
相手に伝えたい主張があり、引き立たせたい個性があり、そのために上下の組み合わせを考えています。
組み合わせといっても、一筋縄ではいきません。
色の特徴を熟知して、バランスの大切さを精通していなければなりません。
落ち着いた印象を持たせたければ、寒色系の色を中心に上下のファッションを考えます。
優しい印象を持たせたければ、暖色系の色を中心に上下のファッションを考えます。
色の特徴・色の強弱・上下のバランス・組み合わせまで含めると、多種多様です。
センスのいいファッションのためには、こうしたことを総合して考える必要があり、高い知性が要求されます。
組み合わせに成功したファッションを見ると、磨かれた知性を感じます。
見ているだけで、鳥肌が立つほどです。
相手に伝えたい主張があり、引き立たせたい個性が感じられれば、輝くセンスが痛いほど伝わってきます。
服を見ているだけで、その人の考え方や大切にしている価値観が垣間見えます。
一方、見栄で身につけている人の服装は、なぜかすぐわかります。
「何をしたいの?」というファッションをしています。
高級ブランドを身につけているところまでは、同じです。
しかし、身につけるブランドに統一性がなかったり、色の組み合わせが悪かったりします。
その人の主張や個性が感じられないファッションは「かっこいい」どころか、むしろ「頭が悪そう」と感じます。
「ただ高級な服を身につけていれば、すごい人間に見られるだろう」
浅はかな考えが、一目ですぐ伝わってきて、がっかりします。
ただブランドを身につけるとしても「かっこいい」と「頭が悪そう」は、紙一重です。
知性が感じられるファッションかどうか。
それが違いなのです。