私が高校時代、歴史を勉強していたときのことです。
歴史が好きで、日本史だけでなく世界史も一緒に勉強していました。
過去は、事件の連続です。
事件には必ず「原因」があり「結果」があります。
事件には必ず人間が登場し、喜怒哀楽という感情が絡んでいます。
そういうことを学ぶのは「歴史の勉強」だけにとどまりません。
「社会の勉強」でもあり「心理学の勉強」ができます。
歴史からは、さまざまなテーマを学べる総合的教科といっても過言ではありません。
だから私は歴史が大好きです。
そんな歴史に夢中になっていた高校時代です。
だんだん過去の歴史に詳しくなっていくと、不思議な感覚を持つようになったことを覚えています。
「テレビで報道される数々の事件に敏感になる」ということです。
なぜ敏感になるかというと「どこかで似た話を聞いたことがある」と思い始めるからです。
心当たりがあって思い出すと、最終的に「歴史の教科書」に行き着きます。
現在、実際に起こったさまざまな事件は、すでに過去に起こったことがあります。
もちろん登場する人や物などは時代によって異なりますが、おおむね事件の概要は似たり寄ったりです。
ある日、次のようなニュースを目にしました。
「雇用者がストライキを起こし、暴動事件にまで発展した」
ある企業が低賃金で無理な仕事を押し付けていたため、雇われていた雇用者が不満を爆発させました。
私は、すぐ日本史の「一揆」を連想しました。
昔と今とでは時代が異なりますから、もちろん登場する人や企業も異なります。
しかし、事件にまで発展した流れは、似通っています。
上の人から不合理な注文を押し付けられ、雇用者が不満を持ち、徒党を組んで起こした武装蜂起です。
過去に一揆があって、どのような結末になったのかを学べば、現代で起こっているストライキも、どうなるのかは、予想できます。
私たちは、未来を予想するために、前ばかりを見ようとします。
未来は前からやってくるので話の筋は合っていますが、実は過去こそ、未来を予想するためのポイントです。
未来で起こる出来事のほとんどは、過去にすでに起こっています。
過去を学ぶことで、未来に起こる出来事も予想できるようになるのです。