売り上げをアップさせるために、最も大切なのは「商品」ではありません。
常に「人」です。
これを常に意識して、忘れないでおきましょう。
私はある日、おいしそうなラーメン屋を発見しました。
店頭には写真付きのメニューがあり、店内からは香ばしいにおいがします。
「入ろうかな、どうしようかな」
今、私が住んでいる東京・三軒茶屋は、店の盛衰が激しい土地です。
土地の値段やアパートの家賃が高い地域なので、その地域で経営するお店は大変です。
月々の高い賃貸料を支払うために、眉唾ではない経営力が必要です。
一昔前、人がやっていた会計処理や事務処理は、そろばんを使って計算していました。
その後、電卓が登場して、仕事はさらに効率よくなりました。
しかし、これは、まだほんの始まりにすぎませんでした。
人目を気にする人間には「中流意識」がどこかにあります。
「松竹梅」と3段階のメニューがあれば、最初は中間の「竹」を選びたがろうとします。
低いランクの梅を選ぶと「安っぽく見られるな。貧乏だと思われたくない」という意識が働きます。
「1件しかない店」なら、客はそこに集中します。
1件しかないので、ほかに選択のしようがないからです。
物が不足していた時代では店が少なく、お店が1件できるだけで多くのお客さんが押し寄せてきました。
人間は「限定」に弱い生き物です。
数が限られていると、人気があり、希少価値があり、高品質であるかのような印象を受けます。
限定数が少なければ少ないほど、逆に欲しくなるのが、人間心理です。
私が新人だったころ、先輩と一緒にランチをよく食べに行っていました。
行きつけの食堂があったのですが、なぜいつもそこに通っているのかというと、はっきりした理由はありませんでした。
強いて言えば「日替わりランチ定食」があるからでした。
私が小学生のころ、冬の季節には朝礼前にマラソンがありました。
学校に到着して、朝礼が始まる前の15分ほどの間、運動場を何周も走れるだけ走ります。
当然ですが、マラソンなんて疲れるだけで、誰もやろうとしませんでした。
私が勤めている会社で、ある日、社長から「アイデア募集」の依頼がありました。
会社の強みになるような斬新なアイデアを出してほしい、という内容でした。
募集と言っても、任意でした。
売り上げをアップさせるためには、商品の内容をよりよくしようと思います。
しかし、それでは手間も暇もかかります。
簡単に売り上げをアップさせる方法があります。
実は、私たちが購入する大半は「知っている商品」ばかりです。
あなたがスーパーに出かけて、ショッピングカートに入れる商品を眺めてみましょう。
・見たことある
私がよく行くレストランで、実際にあった話です。
レストランのメニューは、当初、文字ばかりが並んでいるメニューでした。
たとえば、デザートの欄には「抹茶アイスクリーム」というメニューがありました。
私が住んでいる三軒茶屋は、東京の世田谷の中でも一等地に位置します。
賃貸料が高く、おしゃれな町としても有名です。
そんな都心部に住んでいると、短いサイクルで、店の開業と廃業を目にできます。
どんなお店にも、店内にはレジがあります。
気に入った商品を見つけて、レジで会計を待っている間に、待ち時間が発生します。
すんなり会計ができればいいですが、2人も3人も会計待ちの人が並んでいると、長く待たされるケースも珍しくありません。
犯罪が潜んでいるのは、常に暗いところです。
見られてはまずいものがあるので、暗いところが好都合です。
そのため、私たちは暗いところに対して、無意識のうちに悪い印象を持ってしまいます。
伝えたいメッセージを強調する方法には、2種類あります。
そのほかにも点滅や装飾という方法もありますが、話の幅が広がるため、ここでは省きます。
(1)文字の色で強調
「ビタミンCが1000ミリグラム!」
健康ドリンクでは、ビタミンの含有量を強調したキャッチコピーが目につきます。
「1000」という4桁の数字に、量の多さを感じずにはいられません。
表現方法を変えるというのは、お客さまに商品をアピールする有効な手段です。
たとえば、あなたの店内で最もよく売れている商品を見つけましょう。
見つかれば、その商品に「売り上げナンバー1」というキャッチコピーを付けてください。
私が住んでいるそばに、お気に入りの饅頭屋が1件あります。
1つが10円という安さでも、おいしいです。
ある日、会員カードができました。
私たちは、戦後、3段階の時代を経験しています。
・物を求める時代(1945~1954年)
・性能を求める時代(1955~2000年)
真夏の日中。
直射日光が強く照りつける中のことです。
「熱くて死にそう……」
ある日、クッキー店の前で、チラシを配っていたとします。
「北海道産の牛乳を豊富に使って焼いたクッキーです。じっくり丁寧に焼きました。1パック500円です」
チラシには、クッキーのおいしさをアピールしています。
キャッチコピーとは、人を引き付ける言葉のことです。
商品の広告や宣伝の際に使われます。
キャッチコピーをつけている商品は、世間ではよく目にします。
あなたのお店には、割引券を配ることがありますか。
一部の商品が安くなる割引券を配れば、商品が安くなるので、お店にやってくるお客さんが増え、売り上げもアップします。
頻繁に利用する人にとって、割引券は素直に嬉しく感じることでしょう。
三軒茶屋には、たくさんの職種のお店がひしめき合っています。
商売がうまいところは長続きしていますが、下手なところはすぐつぶれます。
私はたくさんのお店を目にして、商売がうまいなと感じるお店の共通点を発見しました。
お店には、当然ですが、営業時間があります。
営業時間は、店によってさまざまです。
たとえば「朝の9時から、夜の6時まで」としましょう。
商品は、基本的に、お店で販売します。
店を開いている近くの人が対象になります。
しかし、店の立地が田舎なら、人通りも少ないため、来店するお客さまも少ないです。
通常、私たちは何度かお店にかよっていると、店のレイアウトを覚えます。
どんな商品が、どこに置いてあるのかを、自然と記憶してしまいます。
さて、次のような経験はありませんか。
ほうっておけば勝手にお客さんがやってきて、商品がたくさん売れるという話はありません。
そんなおいしい話があれば、商売は苦労しません。
そういう話は、うさんくさい広告やチラシにあるだけです。