子どものことを本当に思うなら、財産を残してはいけません。
「財産を残すと子どもが助かる」と考えている親が、ときどきいます。
財産を残しても、子どもは助かりません。
遺産は子どもをダメにしてしまう火種です。
財産を残すことで、子どもたちはお金を奪いあい、手に入れたお金によって「稼ぐ」という努力をしなくなります。
私の知り合いでも、遺産相続で大いに揉めました。
3億円の遺産相続で、子ども同士の仲が悪くなってしまいました。
裁判で何とか収まったものの、子どもたちの関係は収まっていません。
お金でのトラブルは、人間関係を壊してしまう力があるのです。
このとき、一番のトラブルの仕掛け人は、3億も残して死んでしまった親です。
親がしっかりお金に対する考え方がなっていなかった結果です。
「金の切れ目が縁の切れ目」ということわざがあるように、お金には人間の気持ちを引き裂いてしまう怖い力があります。
3億も残した親は、その金銭感覚がなかったということです。
お金は残してはいけません。
私は今から親に、財産を残さないように言っています。
財産を残すお金があるなら、親が生きているうちに自分のために使ってほしいです。
旅行でも、習い事でも、道楽でもいい。
親が楽しむ姿を子が見ることで、子どもは親から生き方を学ぶのです。
お金の正しい使い方は、生きているうちに使い切ってしまうことです。
あの世にまでは、お金を持っていくことはできないのです。