私は、人の話の中でも、とりわけ「体験談」が大好きです。
実際に体験した話は何であろうと、興味を持って聞いてしまいます。
もちろん本から学べる体験談もいいですが、やはり体験した本人から聞く話のほうが、魅力があります。
成功談だけでなく、失敗談でも同じです。
本来、自分が体験して初めてわかることを、他人が体験してリポートしてくれますから、これほど有益なことはありません。
また体験談の内容によっては、今の自分では絶対に体験できない内容もあります。
たとえば、第2次世界大戦を体験した人の話です。
私は第2次世界大戦より後の人間ですから、自分が体験することは絶対にできません。
戦争の本当の苦しさや悲しさは、体験した人しかわかりません。
実際に体験した人から話を聞くと、自分がその時代にタイムスリップをしているかのように感じることができます。
話だけとはいえ、侮ってはいけません。
体験した人には、それとわかる表情があります。
第2次世界大戦を体験し、戦争の悲劇・苦しみ・悲しさを知っている人は「言葉」だけでなく、必ず「表情」にも表れます。
その事情を知っている人、体験した人にしかできない表情です。
言葉だけでなく、語る表情を見れば、その感情がひしひし伝わってきます。
私のおじいちゃんは、第2次世界大戦を経験した人です。
愛媛県に住んでいましたが、広島の原子爆弾投下のキノコ雲を実際に見たと言います。
戦時中は、主に傷を負った兵士の治療を担当していました。
そのときの状況を語るおじいちゃんには、独特の表情がありました。
それは、戦争を体験して、苦しさや悲しさを知っている人にしかできない表情です。
おじいちゃんの言葉が伝わったのは、その体験談より、表情でした。
そういう話は貴重です。
本だけではわからないことです。
自分の時間やお金には制限があります。
しかし、人の体験談を聞くことで、未体験の情報を、具体的に、しかもただで入手できます。
本よりはるかに貴重で、役立ちます。
体験談は、どんな話であろうと、ありがたく聞かせてもらいましょう。