私が仕事上で出会った尊敬できる上司がいました。
私より10歳近く年が上であり、スリムな体型のリーダーでした。
彼からの説明はいつもわかりやすいものでしたが、時には難しい内容も出てきます。
ネットワークの話や関連性の話など、具体的に想像しにくい内容です。
理解できなくて困っている私に、いつもあることをして説明してくれます。
紙いっぱいに絵を描いて、説明してくれるのです。
具体的に想像できるように、紙に絵を描いて、説明しながらまたさらに絵を加えます。
描いた紙を「まだ理解できていない人のために、コピーをしてもいいよ」と一言も添えてくれます。
絵に簡単な説明文やコメントなどを加えてくれ、後から見直しても思い出せるような配慮もしてくれるのです。
私は今まで、このわかりやすい説明に何度助けられたかわかりません。
「何て素晴らしい人なんだ」と感動したものです。
絵を描いて説明してもらえると、具体的に想像できるようになり、理解が促進されます。
またコピーをすれば、複数人に配ることもできます。
一度の説明で、わかりやすく、何度でも見直せる、素晴らしいアイデアです。
私を感動させたのは、さらにもう1つあります。
普通は、紙に描くのは面倒だと思うものです。
面倒だから、言葉だけで簡単に説明してしまいがちです。
誰でもわざわざ紙に描いて説明するほうが、手間も増えて、面倒と感じることでしょう。
しかし、私が感動したのは、彼の賢さだけでなく、丁寧に絵を描いて説明してくれた彼の優しさです。
わかりやすい説明とともに、面倒なことをしてまで説明してくれる姿に、優しさも一緒に伝わってきます。
こちらも「何とか理解したい」という意気込みが強くなるのです。