入院前は体を鍛えて、筋力・体力をつけましょう。
手術後はしばらく動けず、筋力・体力が落ちるからです。
入院前に体を鍛えておくことで、筋力・体力の低下をある程度カバーできます。
特に長時間の手術では、体力を要します。
できる範囲で筋トレや有酸素運動をして体力をつけておくと、手術がスムーズに進みます。
無事手術が終わって様態が安定したら、衰えた筋力・体力を鍛えていきましょう。
もちろん手術直後の運動は要注意です。
手術後は、きちんと安静を心がけることが欠かせません。
特に医師から絶対安静や運動禁止を言われているなら、きちんと指示に従うことが必須です。
しかし「入院生活=運動禁止」と思うのは誤解です。
手術後の様態が安定して、医師から運動の許可が下りたら、無理をしない範囲で体を動かしていきましょう。
1日中ベッドで横になっていると、あっという間に筋力・体力が低下します。
ベッドで1日ずっと寝たきりでいると、全身の筋肉の1~3パーセント落ちると言われています。
1週間の寝たきり生活を送ると、全身の筋肉が10~15パーセント落ちると言われています。
そして1カ月の寝たきり生活を送ると、全身の筋肉が50パーセントも落ちると言われています。
落ちるときはあっという間です。
寝たきり生活を送っていると、筋力も体力も瞬く間に低下して、骨と皮だけになってしまいます。
寝たきり生活は「精神面」にも影響します。
じっとしているばかりでは「動きたくない」「このままでいい」という弱気の心が大きくなってしまいます。
なかなか明るい気持ちになれず、人生に悲観的することが増えるのです。
だからこそ術後は、衰えた体をしっかり鍛えることが大切です。
リハビリプログラムがあるなら、積極的に参加しましょう。
病院施設内に運動機器や運動スペースが設けられているなら、無理をしない範囲で、筋トレや有酸素運動を楽しむといいでしょう。
普通に歩くだけであっても、筋力・体力の向上に有効です。
足は「第2の心臓」と言われています。
全身の筋肉の3分の2は下半身に集中しているため、積極的に歩くことで多くの筋肉を効率よく鍛えられます。
1日3000歩、できれば5000歩を目指したい。
つま先立ちを10回繰り返すだけでも筋力アップの効果があります。
ふくらはぎの筋肉を鍛えることで、全身の血液循環の改善が期待できます。
手術後は一時的に安静が必要ですが、医師から運動の許可が下りれば、できるかぎり体を動かしたい。
リハビリは、誰かに代わってもらえません。
リハビリは、本人がやらなければいけないチャレンジです。
無理をしない範囲で、衰えた筋力・体力を鍛えていきましょう。
病院内でしっかり筋力・体力をつけることで、退院してからの生活がスムーズになるのです。