一般の人が、一流の人に勝負をかけるときには、まず質で勝負しては負けてしまいます。
その道に通じた達人たちを質で上回るには、時間も努力も圧倒的に劣っています。
達人たちは質で目立っていますから、同じようにあなたが質で追い抜くためには、もう1つの視点から策を考える必要があります。
それが「量での勝負」です。
才能の質で達人に勝てなければ、量によって目立つことです。
「質が高い」と言われる前に「量が多い」という評価を受けることが、偉人たちが歩んできた道のりです。
エジソンがなぜ有名になったかというと、発明家だったからではありません。
実はエジソンの時代にも、ほかの発明家はたくさん存在していました。
では、なぜほかの発明家と違い、1人有名になったかというと、発明した数がほかの発明家と比べて圧倒的に多かったからです。
発明していく作品の数が圧倒的に多く、とてつもない数の特許も取得しています。
立て続けに発明作品が発表され、数が圧倒的に多ければ、人々は「彼の実力は本物だ」と思い、評価するようになります。
たくさんの小さな発明をこなしていたなかで、野球のホームランのように大きなヒット作が生まれたものが、白熱電球や蓄音機です。
初めから質を第一にやっていたのではなく、量を軸にしてこなすことで経験量が増え、結果として知識や技術が蓄積されます。
それがある瞬間に質へと転化していくのです。
ほかの人より一歩前に出るためにほとんどの人が質で勝負を仕掛け、敗北し、諦めてやめていきます。
初めから質から勝負していくのは、達人相手に負けに行くようなものなのです。
質は量をこなした先にやっと手に入れられるものであって、下から這い上がっていくためには、なにより量が第一に必要なのです。