偉業の達成パターンには、大きく2つあります。
私たちがまず思い浮かべる偉業といえば「特別な能力や才能を発揮するパターン」ではないでしょうか。
世の中には先天的な能力に恵まれた「天才」「秀才」と呼ばれる人がいます。
恵まれた才能があれば、世間をあっと言わせる発明や商品を生み出すことも可能でしょう。
優れた発明や商品によって世の中に大きなイノベーションをもたらせば、偉業となります。
偉業の程度によっては歴史の教科書に載るケースもあるはずです。
しかし、偉業につながる方法はその限りではありません。
偉業の達成に特別な能力や才能が必要とは限りません。
小さな仕事でも、地道に続けて世の中に役立つものを生み出せれば、偉業を成し遂げることが可能です。
江戸時代後期に「伊能忠敬」という人物がいます。
彼は日本で初めての実測による日本地図を作製した人物として有名であり、歴史の教科書にも載っている人物です。
測量ができる人物は当時の日本にも多くいましたが、実際に日本全国を測量した人はいませんでした。
彼のすごいところは、実際に日本全国を歩いて測量を行い、日本地図を作製したことにあります。
測量だけなら簡単なことですが、実際に日本全国を歩いて測量するのは容易なことではありません。
伊能忠敬が行ったのは、ひたすら「測量の連続」でした。
驚くべきことに彼は17年という長い歳月をかけて、日本全国を実際に歩いて測量しました。
しかも彼が測量を始めたのは50代半ばのときであり、当時で言えば「年配者」に当たります。
測量で歩いた距離は4万キロメートルを越え、これは地球1周分にも当たります。
普通に歩くだけでも大変ですが、測量しながら歩くのはもっと大変だったに違いありません。
測量という地道な仕事をこつこつ17年続けることで「正確な日本地図」という偉業を成し遂げました。
伊能忠敬の作成した日本地図は「伊能図」とも呼ばれ、現在の日本地図と遜色のない高い完成度であることがわかっています。
老いてからの挑戦といい、気の遠くなるような地道な努力といい、私たちは伊能忠敬から学ぶところがあります。
もしあなたが特別な能力や才能があるなら、それを存分に生かしてください。
恵まれた力を発揮すれば、ほかの人にはできない立派な偉業を達成できるでしょう。
特別な能力や才能がなくても諦める必要はありません。
伊能忠敬のように、小さな仕事をこつこつ地道に続けることで達成する方法を模索してください。
小さな仕事も、積み重ねていけば大きくなります。
何年も何十年も積み重ねていけば、あるとき素晴らしい成果を挙げることができるでしょう。
誰でもできるような小さな仕事でも、それを地道に続けて世の中に役立つものを生み出せれば、立派な偉業です。