おいしいお店を探すなら、目安にしておきたいポイントがあります。
それは「専門店」です。
専門店とは、特定の種類の料理に絞って提供しているお店のことです。
とんかつの専門店、ハンバーグ専門店、ちゃんぽんの専門店、パンケーキの専門店、パエリアの専門店。
専門店には、それだけで勝負しようという本気が感じられます。
専門店は、メニューの数は限られているものの、高い質を実現していることが多い。
どのお店もリソースには限りがあります。
専門店と銘打つことで、人・食材・設備などを限られた料理に投下できます。
選択と集中を行うことになるため、料理の品質が高くなって、素晴らしい食体験を実現しやすくなります。
とりわけ老舗の専門店は別格です。
長期的に専門店経営を続けることは簡単にできることではありません。
資本金1000万円以下の飲食店の場合、10年の生存率は1割未満です。
老舗の専門店は、長期にわたって安定した来客があるということであり、それだけ高い品質を実現できている証拠です。
「流行」「偶然」という言葉で説明できることではありません。
素晴らしい料理を提供している可能性が高いため、注目の価値があります。
もちろん専門店だからといってアタリとは限りませんが、少なくともハズレの可能性は低いと考えていいでしょう。
なかでも特に注目したいのは「一品のみの専門店」です。
メニューにあるのは1つの料理だけです。
サバ料理の専門店、豚骨ラーメンの専門店、あわびがゆの専門店、カレーうどんの専門店、和牛カツサンド専門店。
一品のみで勝負しているお店の料理は、逸品である可能性が高いと考えていいでしょう。
普通に考えると、一品だけで飲食店を運営するのは困難です。
客層が限られたり季節に影響されやすかったりなど、売上の不安要素があります。
一品のみの専門店が存在しているということは、実際にその一品だけで運営ができていることを意味します。
お店を回していけるだけの来客数があり、経営を続けられるだけの売上があるということです。
よほど味がよくなければ、お客さんは入ってきません。
それだけ味がよい可能性が高く、その味に引かれてお客さんが入ってきます。
街角で「○○の専門店」という文言を見かけたら、ちょっと立ち止まって注目してみましょう。