「個性を作る」というフレーズを耳にすることがあります。
「新しい個性を作ろう」
「あの人のような個性を作りたい」
「自分らしい個性を作って魅力的になろう」
もちろん個性は、ないよりあったほうがいい。
個性とは、アイデンティティーです。
受験生や就職活動に備えて、個性を作ろうとしている人も多いでしょう。
内申や評価につながると思い、個性作りに励んでいる人もいるでしょう。
人から「個性がないね」と指摘されたら、ちょっと落ち込んでしまい「何とか個性を作れないか」と悩んでしまいます。
しかし、ここに不自然な点があることにお気づきでしょうか。
個性を伸ばすならわかりますが、個性を作るのはおかしな話です。
簡単に個性を作れるなら誰も苦労しません。
本屋を見ても「個性の作り方」といったタイトルの本は見当たらないはずです。
当然のことです。
個性は作るものではないからです。
個性は本来、作るものではありません。
もともと備わっているものであり、にじみ出るものだからです。
「個性がない」
そう思っているなら勘違いです。
すでに何らかの個性があります。
どんな人にも必ず個性があります。
100パーセントであり、例外はありません。
個性がないように感じるなら、本人が気づいていないだけです。
あるいは自分で「これは個性ではない」と思い込んでいることもあります。
個性ではなく、弱点やコンプレックスとして解釈していることも少なくありません。
自分の内側からにじみ出るものに気づいてください。
ついやってしまうことに気づいてください。
1人でいるときやリラックスしているとき、自然と生じる性格や考え方があるでしょう。
誰かに「やれ」と命令されなくても、自然と積極的になってしまうことがあるでしょう。
心の中で湧き起こり、外に向けて出て行こうとする何かがあるはずです。
自分のことに集中すれば「私らしい特徴だね」というものが見つかるはずです。
それが個性です。
少しでもにじみ出ているものがあれば、それをもっと引き出しましょう。
磨いて、伸ばして、大きく育てていきましょう。
個性を引き出していくにつれて、どんどん個性らしくなります。
素晴らしい個性とは限りません。
弱点やコンプレックスの原因になるものが個性ということも少なくありません。
「こんなのは個性ではない」と認めたくない心理が働くこともあるでしょう。
どんなものであろうと、自分の個性には誇りを持ってください。
どんな個性であろうと、あなたの宝物です。
あなたのアイデンティティーであることに変わりありません。
あなたを特徴付ける大切な要素ですから、きちんと受け入れ、尊重することが大切です。
最初から個性があるのですから、わざわざ作る必要はありません。
個性を作らなくても、すでにあります。
すでにあるものを見つけるだけでいいのです。