愛着を持ってもらうにはどうすればいいのでしょうか。
「愛着を持ってもらうには、長所が大切」と思う人もいるかもしれません。
長所は、その人の優れたところです。
一般的に長所と言えば、褒められるところであり、高い評価があります。
かっこいいところであり、美しいところでもあります。
魅力的な長所をアピールすれば、相手は振り向いてくれ、愛着を持ってもらえるように思えます。
もちろん長所のおかげで愛着を持ってもらえることもあります。
しかし、現実はその限りではありません。
長所には、長所ゆえのデメリットがあります。
きらきら輝いていますが、明るくて少しまぶしい。
強くてかっこよくて頼もしいですが、少し近寄りがたい。
人の素晴らしい長所を見ると、かえって自分がみすぼらしく感じられる。
中にはあなたの長所に抵抗を感じ、ひるんでしまう人もいるかもしれません。
あなたの長所を妬む人や恨む人もいるかもしれない。
外見のいい人はモテますが、ルックスが整いすぎていると、かえって近寄りにくくなるのと同じです。
悲しいかな、長所があるせいで、相手に抵抗を持たれることもあるのです。
では、愛着を持ってもらえるのはどこなのか。
長所ではありません。
短所なのです。
もともと人間は、欠陥が好きな生き物です。
世の中に完璧な人はいません。
どんな人にも何らかの欠点があります。
そのため欠陥があると、人間味や人間らしさを感じて、ほっとします。
何も欠点がない人は、人間味がなくて近寄りがたいですが、欠点のある人には、親近感が湧いて近づきたくなります。
たとえば、おっちょこちょいな性格があって悩んでいるとします。
自分は「おっちょこちょい」がかっこ悪く感じても、相手は「かわいい」「癒される」と思ってくれることがあります。
「おっちょこちょい」という欠陥があるおかげで、愛着に変わります。
癖毛にコンプレックスを持っていたとします。
自分では癖毛に苦手意識があっても、相手から見ると、別に何とも思いません。
むしろ癖毛こそチャームポイントであり「魅力」「個性」として感じてもらえることがあります。
短所にもかかわらず、相手は好意的に受け止めてくれるのはよくあること。
「面白い」「ユニーク」「かわいい」と思われることは珍しくありません。
欠陥があるほうが人間らしく見え、相手に受け入れてもらいやすくなり、愛着が湧くのです。
「短所があるから恋愛がうまくいかない」
そう思っているなら誤解です。
短所は、見方や受け止め方によっていかようにも変わります。
短所があるだけで嫌われることはありません。
むしろ短所こそ大事にしてください。
短所は、あなたのアイデンティティーの1つだからです。
アイデンティティーは、かけがえのない存在です。
あなたの存在を証明するものでもあります。
短所をなくすことは、アイデンティティーを失うことにつながります。
短所をなくすにつれて普通になってしまい、あなたらしい特徴がなくなってしまいます。
愛着は、弱いところや劣っているところから湧いてくるもの。
「弱いところ」「劣っている」という意味では、短所が有効です。
短所がたくさんあるなら、愛着を持ってもらえるポイントもたくさんあるということです。
あなたの短所やコンプレックスは、裏を返せば、すべて愛着を持ってもらえる武器になります。
愛着を持ってもらうには、長所より短所のほうが有効なのです。
短所に自信を持ちましょう。
短所を大げさに考えているのは自分だけです。
周りから見れば、さほど短所と思われていない現実があります。
恋愛では、短所を大切にしてください。
人は「欠陥」が好きな生き物です。
愛着を持ってもらえるのは、長所より短所なのです。