遅刻癖の原因は何でしょうか。
ここでよくあるのは「性格の問題」という回答です。
「だらしない性格だから」
「ぼんやりした性格だから」
「後回しにする性格だから」
たしかに一理あります。
緩みが生じやすい性格なら、なかなか重い腰が上がらないでしょう。
行動が遅れがちになり、遅刻することも多くなるはずです。
しかし、遅刻癖は「性格の問題」と思われがちですが、ここで気づいてほしいことがあります。
自分の行動を振り返ってみてください。
たとえば、楽しみにしている海外旅行なら、十二分の余裕を持って空港に向かうでしょう。
取引先と重要な契約を交わす場面なら、たっぷり余裕を持って出発するでしょう。
好きな人との初デートなら、かなり早めの到着を心がけるのではないでしょうか。
いずれも「絶対遅刻してはいけない」と意識する場面です。
もともと遅刻癖のある人でも、本当に大事な場面では、自然と余裕を持った行動を心がけるはずです。
もちろん「完全な不注意」という例外はありますが、大事な場面であればあるほど、時間厳守の意識が高まるはずです。
なぜ大事な場面に限って、自然と遅刻癖が直るのか。
それは、重要と思っているからです。
重要なことであればあるほど「絶対遅刻してはいけない」と思うため、注意します。
このことから、ある事実が見えてきます。
つまり、遅刻癖の本当の原因は「重要と思っていないこと」にあるのです。
「友人だから、少しくらい待たせてもいいだろう」
「雑用だから、ちょっとくらい遅れてもいいだろう」
「軽微な打ち合わせだから、別に遅刻してもいいよね」
重要と思っていないと、安易な考えが浮かんで、気の緩みが生じます。
軽視したり見下したりしてしまう。
ずるずる行動が遅れていき、遅刻につながるのです。
つまり、遅刻癖の本当の原因は「性格の問題」ではなく「癖の問題」です。
重要と思っていないと、つい手抜きしてしまうのが、人間の悪い癖。
気持ちが緩むだけでなく、失礼な態度が出てしまうことも少なくありません。
遅刻癖があると「仕事をなめている」と思われてしまう原因は、ここにあります。
遅刻癖を直すなら、きちんと重要性を認識することです。
時間を決めて人と会うときは、相手に敬意を払いましょう。
わざわざ時間を割いて会ってくれるのですから、重要な待ち合わせです。
感謝の気持ちを持つと、自然と重要感が増していきます。
出社も登校も重要です。
時間を守ることは、社会の大切なマナー。
「たかが出社」「たかが登校」と軽視するのはよくありません。
信用に関わることですから、十分重要と言えます。
金銭や責任が伴うことなら、なおさら重要と考えることです。
時間は、お金より重要です。
したがって「時間が関係していることはすべて重要」と考えるのが適切です。
重要と思えば、自然と時間厳守の注意も高まり、遅刻癖も直っていきます。