一部で全部を決め付けていませんか。
人によっては、一部で全部を決め付ける癖を持っている人があります。
たしかに一部しかわからない状況なら、それを手がかりにして、全体を推し量るしかありません。
犯罪捜査のように、有力情報が限られている状況なら、一部から全体を想像することもあるでしょう。
また古代遺跡から古い土器が見つかれば、当時の状況を知る手がかりになるでしょう。
一部から全体を想像することが必要な場面も、少なからず存在します。
しかし、普段から一部で全部を決め付ける癖があるなら要注意です。
一部で全部を決め付ける癖があると、正しい現実が見えなくなり、誤解や勘違いが発生しやすくなります。
正しい認識を見誤り、誤解を招きやすくなります。
たとえば、第一印象です。
初めて会ったとき、相手の言葉遣いや態度が悪いと悪印象ですが、決め付けるのはよくありません。
たまたまプライベートでトラブルがあって、余韻を引きずっていただけかもしれません。
たまたま体調が悪く、態度が悪かっただけかもしれません。
第一印象が長く残りやすいのは事実ですが、それですべて決め付けるのはよくないでしょう。
また、あるレストランで食事をしたとき、接客態度の悪い店員がいたとします。
「教育ができていない。あのレストランは最低だ」と店全体を悪く思いがちですが、注意が必要です。
接客態度が悪いのは、その店員だけかもしれません。
普段はきちんとできていても、その日にかぎって疲れがたまっていただけかもしれません。
そのほかにも、次のようなセリフに心当たりがあれば要注意です。
「男とはこういうものだ」
「女とはこういうものだ」
「最近の若者は○○だ」
不快な出来事だったのは事実であっても、それだけですべてを決め付けるのはよくありません。
一部で全部を決め付ける癖があると、現実を正しく認識できなくなります。
先入観が生まれてしまい、偏見や固定観念に発展する可能性があるのです。
あらためて自分の癖を振り返ってみてください。
「自分にそんな癖はない」と言う人にかぎって、無意識のうちに一部で全部を決め付けていることがあります。
1つの事実だけで、全体を決め付けていないか。
1人の事例だけで、すべてを決め付けていないか。
一部で全部を決めるのではなく、複数の信頼できる情報源からデータを集め、総合的に判断するのが得策です。