怒りを感じてもいいのです。
怒りは、人間に備わった、大切な感情の1つです。
怒りの本質は、愛です。
相手を真剣に思うからこそ、怒りを感じます。
学校で、生徒のためを思っている先生ほど、怖いのと同じです。
生徒のためを思っているからこそ、怒りを感じ、本気で怒ります。
愛がないと、怒れないのです。
ただし、問題なのは、伝え方です。
怒りを感じたときに、怒りを感情のままぶつけるのはよくありません。
暴力でぶつければ、体を傷つけるでしょう。
感情でぶつければ、心を傷つけるでしょう。
怒りは、伝え方を工夫したうえで、ぶつけましょう。
すなわち「親切な苦情」として伝えるのです。
親切な苦情に加工するには、次の3つのポイントを押さえるだけです。
感情を抑えて、言葉遣いを丁寧にしましょう。
俗語や省略語は、できるだけ使いません。
とげがなく、柔らかい表現を意識しましょう。
ゆっくり話すだけで、丁寧な印象になります。
感情も抑えられるため、相手に受け入れられやすくなります。
いきなり苦情を言うより、褒めてから苦情を言うほうが、賢明です。
「不愉快です。迷惑です。やめてください」といきなり否定から始めるのは、よくありません。
「いつも素晴らしいサービスに感謝しています。ありがとうございます。ところで1つ、お伝えしたいことがあります」
褒め言葉から始めれば、その後の苦情もスムーズに受け入れてもらえるでしょう。
親切な苦情として怒りを表現すれば、不満を上手に吐き出せます。
同時に、相手には改善の材料にもなるでしょう。
怒りは、伝え方さえ工夫すれば、愛の表現になります。
お互いにとって、メリットになるのです。