学生時代は、嫌いな人と一緒になる機会は、ほとんどありません。
嫌いな人とは、距離を置けばいいだけでした。
学生時代の逃げ道は、いくらでもあります。
しかし、社会人になって仕事を始めてからは、違います。
仕事では、生理的に受け付けない人と一緒に仕事をしなければいけない状況があります。
むしろ、そういう場合がほとんどです。
お互いの性格や考え方が、まったく違います。
お互いのテンポやリズムも、まったく違います。
まったく自分とは違う人と、いかに仲良くなるかです。
こういう状況は、10代ではありません。
だから、いい勉強になるのです。
20代こそ、人間関係の本当の勉強が始まる時期です。
嫌いな人がいるから、仕事を辞めるのではありません。
仲良くない人と、仲良くするのが、1つの仕事です。
ため息をついて「さて、どう付き合っていこうか」と悩みながら、毎日接することです。
ひどいことを言われたとき、笑顔になって「さすがですね。勉強になります」と言えるかです。
顔を見るだけで吐き気がする人と、にこにこしながら仕事をする姿勢です。
楽しくなくても「楽しいですね」と言わなければいけないこともあります。
時には、心を無にしなければいけないこともあります。
これが、本当の人間関係です。
これまでの人間関係は、おままごとでした。
学生時代の人間関係が、生ぬるかったのです。
実のところ、仕事の悩みの大半は、人間関係です。
人間関係さえうまくいけば、仕事もうまくいくと言っても過言ではありません。
「絶対無理」という人と、いかに仲良くやっていくかを考えるとき、本当の人間関係が磨かれるのです。