時間の進み方は、一定のはずです。
しかし、心の状態によって、時間の進む感覚は変わります。
たとえば、面白いゲームを楽しんでいるときは、時間があっという間に過ぎます。
1時間が、10分のように感じます。
充実しているときほど、時間は短く感じます。
一方、つまらないゲームをしているときは、時間が長く感じられます。
たった10分が、1時間のように感じます。
退屈しているときほど、時間は長く感じます。
人の心は、時間感覚を曲げる力があるのです。
さて、この2パターンを比べてみましょう。
「10分のように感じた、充実した1時間」と「1時間のように感じた、退屈な10分」です。
どちらの時間のほうが、人生で得をするでしょうか。
ぱっと見たところ、1時間のように感じた10分のほうが、人生も長く感じられるように思えます。
感覚として、時間を長く感じているなら、人生でも得をしているように思えます。
しかし、違うのです。
時間は、長く感じればいいという問題ではありません。
退屈なのは、苦痛です。
時間を長く感じることができても、退屈なら、苦痛も長く味わうことになります。
苦痛を長く味わうのは、得をしているどころか、損をしています。
人生の価値は、時間の長さで決まるのではありません。
充実しているかどうかで、決まります。
大切なことは、いかに充実した時間を過ごすかです。
「退屈した1時間」より「充実した10分」です。
感じる時間の長さに、躍らされないことです。
たとえ短く感じても、充実した時間を感じることが大切なのです。