漫画家の手塚治虫は、いつも締め切りに追われていました。
週刊誌で、連載を組んでいました。
しかも、複数の週刊誌です。
毎週、何らかの締め切りがあり、心休まる暇がなかったと言います。
部屋からめったに出ることがなく、妻でさえも、彼の部屋には入れなかったと言います。
そんな状態で、いい作品が描けるのかと思います。
そんな状態だから、よい作品が描けるのです。
ぼんやりした状態で傑作が生まれるなら、苦労しません。
誰でも思いつくのです。
締め切りがあると、サボってはいられません。
この瞬間、人は潜在的なパワーを発揮します。
「時間がない。何とかしなければ」と必死になるため、頭がよく回転するのです。
自分を窮地に追い込むからこそ、頭のストッパーが外れ、非常識な発想や考えが生まれます。
締め切りに追い込まれて生まれたのが、名作『鉄腕アトム』『ブラックジャック』『ジャングル大帝』です。
名作の裏には、必ず差し迫った締め切りがあります。
現在、活躍する漫画家の多くも、締め切りに追われながら書いています。
今日もまた、締め切りに追われた漫画家が、名作を生み出しているところでしょう。
締め切りは、名作を生む条件です。
一線を越えたアイデアは、一線を越えた状況から生まれます。
あなたの人生には、締め切りがありますか。
締め切りがなければ、締め切りを作りましょう。
締め切りを作るとは、時間の質を高める習慣です。
傑作は、締め切りから生まれるのです。