生活の中で「新しい」ことがあれば、それで新鮮です。
しかし、新しいだけがよいことではありません。
むしろ今まで使っていた物をメンテナンスすることのほうが、豊かな暮らしにつながります。
何でもかんでも新しい物を求めていると、物に対して思いやりがなくなります。
「どうせ新しいもの買うから、適当に使ってしまおう」となります。
この「どうせ」がいけません。
物を扱うときに「どうせ」が入ってしまうと、物に対して思いやりがなくなります。
すべてをメンテナンスしよう、とは言いません。
けれど、せめて自分が大好きなもの1つでも、新しいものに買い換えるのではなく、メンテナンスをして長持ちさせましょう。
私が今一番大切にしている物は、日記です。
私が19歳のころから、1日も欠かさず書いている日記は、もう6年目に入りました。
「あのときの思い出は本当にあったことなのだろうか? もしかしたら夢だったのではないか?」と思うことがしばしばあります。
しかし、日記を読み返すと、たしかに「あのときの自分」がいます。
さすがに6年も前の日記を読み返すと、涙が出てきます。
今まで読んだどんな本より、自分にはかけがえのない本です。
私は日記だけは、しっかりメンテナンスをするようにしています。
というより、これだけ情のこもった日記をメンテナンスしないわけにはいかないというのが正直なところです。
思い出がたくさん詰まっている分、破れていたらセロハンテープでとめています。
もうぼろぼろの日記ではありますが、メンテナンスをしていますから、まだまだ何度でも読み返せます。
このように生活の中に1つでも、メンテナンスを行うことで、長い人生を一緒に歩める物とのお付き合いができるようになります。
長い人生を一緒にお付き合いしていく物は、きちんとメンテナンスを行うことが必要なのです。