明らかに相手が間違っているなら、正しい主張をしたくなります。
いわゆる、正論です。
「あなたはここが悪い。こうすればいいよ」
「あなたのほうが間違っている。正しいのはこうだよ」
「あなたの考え方はおかしい。普通はこう考えるでしょう」
明らかに相手が悪いなら、正しい意見や考え方を言い聞かせ、相手に理解させようと思うでしょう。
正論を言えば、相手は自分の間違いに気づき、スムーズに仲直りできると思います。
しかし、これは逆効果です。
むしろ正論を主張すると、かえって仲直りを妨げるでしょう。
「正論を主張して何が悪い」と思うかもしれませんが、スムーズに仲直りをしたいなら適切とは言えません。
正論を言われた相手の気持ちを考えてみましょう。
反論の余地がない意見をずけずけ主張すると、徹底的に相手をたたきのめす状態になります。
正論で相手を言い負かせば、相手はプライドを傷つけられ、時には怒りを覚えるでしょう。
見下すように偉そうな態度で言われると、発言内容が正しくても反感が出て、素直に認めたくない気持ちになります。
仮に話し合いに決着がついたとしても、後味の悪い余韻が残ります。
話し合いが決着しても、仲直りはできていない状態になる。
正論を主張すると、かえって仲直りを妨げるのです。
そのため「自分のほうが正しい」と思っても、露骨に出さないほうがいい。
「正しい・間違っている」にこだわるのは、ビジネスでは必要であっても、仲直りでは注意が必要です。
正論を主張したくても、避けておくのが賢明です。
強く正論を主張するのではなく、オブラートに包んだ言い方のほうがいいでしょう。
「間違っているかもしれないけど、私はこう思った」
「私が誤解しているかもしれないけど、こう考えている」
「少し唐突だけど、こう考えてみるのはどうかな」
オブラートに包んだ言い方なら、言葉が柔らかくなるので、相手も素直に聞きやすくなるでしょう。
話が丸く収まり、仲直りもスムーズになります。