私が一人暮らしをしているときに、猛烈に部屋を掃除する瞬間がありました。
それは、ある1本の電話から始まります。
「貴博君、今からそっちに行くから」
この瞬間から、私の中で掃除の火がつきます。
さすがにお客さんが来るのに、部屋が汚いのではかっこがつきません。
それで、猛烈に部屋を片付け始めるわけです。
部屋の掃除をするときには、やる気が大切です。
私の実家も、ときどきお客さんがやってきます。
私の父は結婚式でよく、仲人を頼まれるそうです。
そのため、よくご挨拶にと、結婚される2人が訪問します。
訪問する寸前の水口家では、大掃除が始まります。
年末の大掃除に引けを取らない勢いで掃除が始まるのです。
母は草をむしり、父は庭を掃除し始めます。
木に水をやり、玄関の靴を揃え始めます。
いつもと違う両親の動きに、お客さんが来るときには、自然とわかるようになりました。
きれいな部屋にするためのコツは、お客さんを呼ぶことです。
お客さんが来ることがわかれば、体が勝手に動き始めます。
「悪い印象を持たれたくない」という人間の見栄は、時として、掃除のやる気を駆り立てる原動力になるのです。