映画のジャンルの1つに「パニック」があります。
パニック映画は、突然の異常事態が発生して、それに立ち向かう人々を描いています。
大地震、大噴火、大嵐、大竜巻、大津波。
冬山での遭難、船のエンジン故障、高層ビルの火災。
急なトラブルが起こり、生きるか死ぬかの極限状態に陥ります。
映画の世界に入り込んでいると、自分もそこにいるような感覚になって心拍数が上がります。
ハッピーエンドで終わるとは限らず、まれにバッドエンドで終わるものもあるため最後まで目が離せません。
平和ぼけをしている人にとっては、たるんだ心をびしっと引き締めるよいきっかけになるでしょう。
もちろんはらはらして楽しむのもいいですが、それだけで終わらせるのではもったいない。
もっと奥の深い楽しみ方があります。
パニック映画は「自分だったらどうするだろう」という視点で見てみましょう。
パニック映画は、はらはらして終わりにするのではありません。
「自分だったらどうするだろう」という視点で見るものです。
映画とはいえ、その世界にどっぷり入り込めば、普段味わえないようなパニックを疑似体験できます。
自分が現場にいると仮定して、真剣に振る舞い方を考えてみてください。
軽く考えるのではなく、本気で考えてみてください。
「自分だったらこうするだろう」と対処行動を思い描くことで、イメージトレーニングができます。
イメージトレーニングも、本気になれば、実際のトレーニングと近い状態になります。
自分だったらどうするか真剣に考えてみることで、非常事態の予行演習が行えます。
余裕があれば、非常時の行動を2パターン・3パターン考えてみるのも面白いでしょう。
行動パターンをいくつか考えておくことで、臨機応変の力も鍛えられます。
パニック映画では「愚かな行動をする人」と「賢い行動をする人」の存在が定番になっています。
注目すべきは、賢い行動をする人です。
「なるほど! その方法で切り抜ければいいのか!」と機転の利いた行動があるでしょう。
自分の知恵を越える、素晴らしい対処をする人がいるものです。
賢い行動をする人がいれば、ぜひ参考にして取り入れてください。
似たような場面に遭遇したとき、さっと行動できるのです。
もちろんパニック映画で起こるような場面はめったにあるものではありませんが、絶対ないとも言いきれません。
起こる可能性が0パーセントでなければ、考える価値は十分あると言えるでしょう。
「あのとき見たパニック映画が役立った。命を救われた」
何気なく見たパニック映画が、いつかあなたの命を救うことになる可能性もありえます。
イメージトレーニングをすれば、非常事態の予行演習となってパニックに強くなれます。
パニック映画は、教育映画だったのです。