「付き合っているのだからすべてをオープンにしよう」
「夫婦なのだから、隠し事はやめて、すべてさらけ出そう」
そんなカップルを見かけます。
もちろんオープンであることは大切です。
お互いの関係を深めるためには、オープンな姿勢を心がけ、どんどんプライベートを話していくことです。
特にカップルであれば、心のつながりを深めるためにも、できるだけ隠し事なくオープンにしたほうがいいでしょう。
オープンにするから相手を理解でき、ますます親密な関係に発展していきます。
しかし、オープンにするといっても、1つの隠し事もなくすべてをオープンにするとなると、話は変わります。
それは相当なストレスであり、必ず無理が生じます。
仮に「隠し事は厳禁」というルールをお互いに強制するとします。
あらゆることをオープンにして、1つの隠し事もないようにするとします。
そのカップルは、近い将来、破局を迎えるでしょう。
1つの隠し事もなくすべてをオープンにするというのは相当のストレスです。
いつか必ず無理が生じます。
あなたには、親に言えない秘密があるでしょう。
たとえ親友であっても、言えない秘密が1つくらいあるはずです。
親や親友に対してそうであるように、パートナーに対してもそうです。
隠し事が1つもないのは理想的に思えますが、実際にそれを100パーセント実行するのは非常に大変です。
不可能ではありませんが、大きなストレスを覚悟する必要があります。
もはや苦行の域であり、現実的ではありません。
一時的に続けることはできても、一生続けるのは不可能です。
ですから「隠し事を1つも許さない」というカップルは、遅かれ早かれ破局を迎えます。
「もう嫌だ! 耐えられない! 別れよう!」と爆発するのです。
「1つの隠し事も許さない」は、もはや「束縛」です。
心をオープンにすることは大切ですが、だからといって隠し事を1つも許さないのはやりすぎです。
相手の心の自由を奪うことになります。
表向きは理想的に思えても、実際は大きなストレスに苦しめられるでしょう。
「恋人同士・夫婦同士であっても、秘密はあって当然」と思ってください。
もちろん隠し事ばかりはいけませんが、1つや2つの隠し事があるのは自然なことです。
隠し事は、すべての人間に必要です。
そして隠し事があるのは、人間らしいことです。
隠し事があるから人間関係がスムーズになり、関係が長続きします。
「すべてをオープンにする」という意味を誤解しないでください。
「1つの隠し事も許さない」ではなく「なるべく隠し事はせず、できるだけオープンにする」という意味で考えるのが正解です。