ぐっすり長時間寝ることに、どうも日本人は罪悪感を抱いている人が多いようです。
「9時間も寝た」と言うと「だらしないね」と侮辱されます。
「そんなんじゃ、受験に合格しないよ」
「のび太君だね」
「出来損ないの人間になるよ」
そう言って寝ている人はだらしない人間であるかのように言われます。
その反面はどうでしょうか。
「勉強で昨日は3時間しか寝ていないよ」
「昨日は残業で、家に帰っていないよ。全然寝ていない」
「睡眠不足だよ。疲れた」
眠そうな表情で頑張る人には「すごい。頑張ってるね」という間違った褒め言葉を言われます。
また中には寝ることを時間の無駄と考え、長く寝るどころか短く寝ようと心がけている勘違いも存在するくらいです。
私の職場には、いつも睡眠不足の女の子がいます。
彼女はいつも「昨日は3時間しか寝てない」と同情してよと言わんばかりの表情で言ってきます。
「なぜいつも睡眠不足なの?」
すると「寝てしまうと1日が終わるからもったいない。寝る時間を短くして、起きている時間を長くしたい」と言います。
そう言っている彼女の顔色は青白くて血色が悪く、元気がありません。
彼女にはいつも決まった口癖があります。
「なかなか集中できない。覚えないといけないことがたくさんあるのに、頭に入ってこない。これではダメだ」
こういつも嘆いています。
そんな姿を見て私は「きちんと寝てないと、そりゃすべてうまくいかないよ」と心の中でひそかに思います。
初めにも言いましたが、寝ることは疲れを回復させ、免疫力を高め、やる気や元気を充電する時間である大切な生活の一部です。
そんな生理現象に関わる大切なことを削ってしまっては、1日中不幸そうな表情で気力も集中力も元気も出ないのです。
寝ることは決して無駄ではありません。
それどころか少しでも睡眠時間を長くしようと努力をしないといけないくらいなのです。
私が学生のころはこの睡眠の大切さに気づいておらず、睡眠時間を短くしようと間違った方向へ努力をしていた時期がありました。
当然、表情も悪く、元気もなく、成績もなかなか思うように上がりませんでした。
しかし、今は、少しでも睡眠時間を長くしようと努力するようになりました。
むしろ少しでも睡眠時間を長くしておかないと、日中は元気が出てこなくなるのです。