伝えたい言葉があるとき、意識したいことがあります。
それは「丁寧な言葉遣い」です。
あなたが言葉をしっかり伝えようとするとき、どんな言い方をしますか。
自分の主張を理解してもらうため「乱暴な言葉遣い」という手段に頼る人もいるでしょう。
乱暴な言葉遣いで話す。
大声で怒鳴りながら話す。
声を荒らげながら厳しい言葉で言えば、相手にしっかり伝わるだろうと思う。
なかなか言うことを聞いてくれない相手なら、いらいらした感情が爆発して、乱暴な言葉遣いになりがちです。
たしかに厳しい言葉のほうが、感情が含まれている分、相手の心を動かせるように思うでしょう。
大きな声のほうが聞きやすいのも事実です。
乱暴な言葉遣いをすれば、相手は不安や恐怖を感じて、素直に言うことを聞いてもらえるように思えます。
しかし、ここに大きな誤解があります。
実際のところ言葉遣いが汚いと、話の内容がきちんと相手に伝わらなくなります。
相手の立場になって考えてみてください。
怒りながら乱暴な言葉遣いで話す人がいれば、どう感じるでしょうか。
「話の内容」より「怒っている様子」のほうに注意が向くはずです。
「怖い」
「危害を加えられるかもしれない」
「この場から逃げたい」
「どうしてこんなに怒っているのだろう」
「あまりこの人には関わらないほうがいい」
言葉遣いが乱暴だと、不安や恐怖に注意が向き、話の内容が頭に入ってこなくなります。
人は、防御本能があります。
危険を察知すれば、本能として危険に注意が向き、そのことで頭がいっぱいになります。
そのため乱暴な言葉で感情的に伝えたところで、思うように伝わらないのが現実です。
「いくら怒っても、相手が私の言うことを聞いてくれない」といった悩みの原因は、ここにあります。
乱暴な言葉遣いを使ったところで、メリットはありません。
むしろ言葉が伝わらない上、嫌われてしまうだけ。
乱暴な言葉遣いは、どれだけ言っても伝わらないのです。
では、どうするか。
ここで意識したいのが「丁寧な言葉遣い」です。
乱暴な言い方やとげとげしい言葉遣いは避け、丁寧で優しい言い方を心がけましょう。
むかむかしても、心を落ち着かせ、冷静に伝えましょう。
なかなか興奮が収まらないなら、一度時間を置くと、冷静を取り戻しやすくなります。
感情的になるのは避け、理性的に伝えるようにします。
「私はこう思う」
「○○だから、こうしてほしい」
「○○だから、やめてほしい」
脅すような言い方はしません。
丁寧な言葉遣いで、淡々と伝えます。
すると、相手は話の内容に集中しやすくなります。
「なるほど」「そういうことですね」「わかりました」と、しっかり理解することができます。
伝えたい言葉があるなら、丁寧な言葉遣いを意識しましょう。
丁寧な言葉遣いは、短い一言でもしっかり伝わるのです。