友人の家に遊びに行った、ある日のことです。
靴を脱いで家に上がってしばらくして友人の足元を見ると、靴下に穴があいているのに気づきました。
本人は気づいていないのかと思い「穴があいているよ」と言うと、うまい反論をされたことがあります。
「これはこれでいい。穴が開いているほうが、通気性がいい」
本気なのか冗談なのかはわかりませんが、なかなかうまいことを言うなと思いました。
「うまいことを言うだろう」という彼の表情に「してやられた」という私です。
お互いに大笑いです。
ただ、筋の通った反論に納得しそうになりますが、彼の理屈には、重大な穴がありました。
たしかに靴下に穴があいていると、通気性がよくなります。
しかし、穴があいたままの靴下で靴を履いていると、その部分は汗が吸収されず、雑菌の繁殖が始まります。
靴下の通気性はよくなるかもしれませんが、靴の中が蒸れやすくなり、かえってにおいやすくなるのです。
穴があいたところから出た汗によって、靴の内側が雑菌だらけになれば、靴そのものの寿命も短くしてしまいます。
穴があいた靴下を、通気性がいいものと勘違いしないことです。
穴があいた靴下は、寿命です。
たとえ穴があいていなくても、穴があきそうなほど布が薄くなれば、交換タイミングです。
布が薄いと、汗の吸収が悪いため、靴の中が群れやすくなるのです。
使い切ったことに感謝して、新しい靴下に買い換えるようにしましょう。