泥棒は、盗みやすい人から盗みます。
どういう人から盗もうとするかというと、やはり「危険意識が低い人」から盗もうとします。
いつも安全に気を配ってぴりぴりしている人より、気の抜けた人からのほうが気づかれにくく、盗みやすい。
泥棒も生活が懸かっています。
失敗をして、留置場に入りたくはありません。
そこでできるだけ安全、かつ確実に遂行できるように、気が緩んでいる人をターゲットにします。
しかし、海外旅行客のすべてが、必ずしも襲いやすいわけではありません。
海外旅行をしているからこそ、逆に安全面に気を使って、襲いにくい人もいます。
では、気が緩んでいるかどうかをどう判断するのでしょうか。
やはり「外見」からです。
外見には、危険意識が高いか低いかが表れやすい部分です。
危険意識が低いことが垣間見えるポイントがあります。
「口の開いたハンドバッグ」です。
口を開いたハンドバッグは、その人の心が見えるところです。
「私には危険意識があまりありません。気が緩んでいます」と公言しているようなものです。
「いちいちバッグの開け閉めが面倒だなあ。まあ、これくらい問題ないだろう」
口が開いたままになっている状態から、その人の心の緩みが、鮮明に見えてくる。
泥棒は、そういうところを見逃しません。
「おや。この人からはきっと盗みやすいぞ」
バッグはいつも手に持っているから口を開けたままでも問題ないだろうと思いますが、そうとも限りません。
その人の気が緩んでいるだけではありません。
事実、口が開いたままのハンドバッグは、無防備であるため、背後から盗みやすい。
泥棒から目をつけられやすく、被害にも遭いやすい。
財布やガイドブックを取り出すたびに、バッグのチャックの開け閉めはたしかに面倒です。
面倒ですが、自分の安全意識の高さを周りにアピールするために、きちんとバッグは出し入れのたびに口を閉じることです。
口が閉じられているだけでも、泥棒は手を出しにくくなるのです。