現在、世界共通語といえば「英語」です。
国際的に定められているわけではありませんが、世界経済では英語を使ってビジネスをするケースが多い。
事実上の標準になっています。
昔は英語を知らなくても、生活に支障はありませんでした。
しかし、時代は国際化です。
国と国同士の交流が盛んになっています。
仕事でも、ほかの国と積極的に仕事をしたり交渉したりするケースが増えています。
「英語は話せて当たり前」という日が近づいています。
いえ、もうそうなっているのかもしれませんね。
実は、語学というのは「学ばせる時期が早いほど習得も早い」という特性があります。
若いころは脳に柔軟性があるので、新しい言語を覚えるのに適しています。
外部からの刺激に適応するのが早い。
そうした「国際化の風潮」と「脳の適正事情」から、幼い時期から英語教育に力を入れる家庭が増えています。
幼い時期から英語に触れさせたほうが、将来は英語力を武器に、就職にも有利になるはずだろうと思います。
もちろん第二言語として英語に触れるのは悪いことではありません。
基本的な日常会話くらいは触れさせて、英会話への抵抗を小さくするのは大きな意味があります。
しかし、いくら英語が大切でも、生活の大半を英語に浸からせるのはよくありません。
自分が話すべき優先言語が、混乱してくるからです。
自分の気持ちを言いたいとき、母国語でも外国語でも、とっさに出てこなくなります。
きちんと母国語を理解していないと、外国語の理解すらできません。
母国語と外国語の半々になってしまうと、どちらの言語も中途半端になってしまいます。
英語力で本当に土台となるのは、母国語です。
いくら英語が将来必要とされるとはいえ、語学習得の基本はやはり母国語です。
軸を作るためです。
母国語をしっかり学ぶことで、自分を表現するための「軸」が体の中に出来上がります。
自分の考えを表現する軸があって、その軸を中心に応用ができます。
軸があれば、ほかの言語を取得しようとしたとき、うまく比較できたり、単語の意味が頭に入ってきたりするようになります。
母国語をきちんと学ぶからこそ、自分の考えを分析したり、まとめたり、うまく伝える表現などができるようになる。
「母国語」という軸が先にあって、外国語もうまく話せるようになります。
本当に外国語を磨きたければ、実は母国語を徹底的に学ぶことです。
なにより大切なことは「これが私の母国語なんだ」という意識です。
母国語を通して、自分の国への愛着・興味・関心が出てきます。
外国語学習の土台は、実は母国語の学習です。
遠回りになるようで、実は一番近道なのです。