私が22歳の誕生日のことです。
夕方に、家のチャイムが鳴りました。
誰だろうと思い扉を開けると、お向かいに住んでいる久美子ちゃんと雄介君でした。
「Happy Birthday Dear タカヒロ君.Happy Birthday To You♪」
扉を開けるや否や「Happy Birthday To You」の歌を歌い始め、私の誕生日を祝ってくれました。
驚きと嬉しさのあまり、泣きそうになったほどです。
これほど嬉しくて感動的なことはありません。
何が嬉しかったのかというと、誕生日を覚えてくれたことでも、贈り物でもありません。
歌ってくれたことがです。
お願いをしてもいないのに、誕生日の日に歌を歌ってくれるという経験はなかなかあるものではありません。
気持ちがないとできないし、しようとさえ思いませんね。
お金より物よりなにより、はるかに嬉しい贈り物に、私は鳥肌が立つほど感動したことを覚えています。
遠い昔の話ですが、何年経ってもそのときの記憶が薄れることはありません。
いまだに思い出しては、嬉しくなります。
歌を贈るというプレゼントは、まったくお金もかからず、誰にでもできることです。
感動的なプレゼントの1つとして、忘れてはならない大切な贈り物なのです。