私が高校3年生のとき、学級委員長を努めていた人は、女性でした。
三瀬さんという、小柄な女性でしたが、統率力のあるかっこいい人でした。
高校3年生といえば、もう心も体も大人です。
大柄の男子生徒もいた中、1人三瀬さんは全体のまとめ役をしていました。
ライオンのオリの中にいる、1匹のウサギのようでした。
私にはそんな三瀬さんが、かっこよく映っていた。
運動会の話し合い、決めごと、発表会になると、三瀬さんは誰より前に立ち、全体が乱れないように統率していました。
「ちょっと、そこ、しっかりやって」
「そんなことしたら、みんなの迷惑になるでしょ」
「静かにしてください」
かわいい声ながら、はっきり発言します。
大勢がいる中、1人でもまとめ役がいるかいないかでは、やはりまとまりぐあいが全然違います。
三瀬さんがいないときには、みんなはだらだらになり、秩序が乱れてしまいます。
まとめ役の三瀬さんがいるときには完璧とまではいかなくても、まとまりができます。
パーティーの幹事役でも、同じことがいえます。
幹事は大変な仕事ではありますが、これほど勉強になる役柄はない。
場所を決め、時間を決め、席順を決め、メンバーに連絡したり、宴会の下準備をしたりと、苦労がたくさんあります。
一番責任の重い仕事ではありますが、最もかっこよく映る役柄なのです。
それでいて、最も勉強のできる役です。
かっこいい女性は、自分から幹事役を名乗り出ます。
いえむしろ、幹事役を引き受けたほうが得なのです。
学級委員、幹事、主催者といった統率を行う役は、一番勉強ができ、最も輝くポジションです。
自分の勉強にもなり、人付き合いの勉強にもなります。
統率する女性は、かっこいいのです。