近江商人の哲学の1つに「損して得取れ」という格言があります。
「最初に損をすることがあっても、それを生かすことで将来の大きな利益につなげよう」という意味の言葉です。
目先の利益ばかり追いかけることがあってはいけません。
一時的に損をすることがあっても、長い目で見たとき、大きな利益につなげられれば、結果としてプラスになります。
「損して得取れ」は商売の心得としてよく聞かれる言葉ですが、時間についても同じことがいえます。
失敗をしたからといって、時間を無駄にしたと思わないことです。
たしかに思い通りの成果が得られなかったかもしません。
修正が必要になったり、最初からやり直さなければいけなかったりすることになれば、時間の無駄遣いをしたように感じるでしょう。
時間は貴重なものだけに悔しさもひとしおです。
貴重な時間をどぶに捨てたような感覚を覚えることもあるかもしれません。
失敗したことも悔しいですが、時間を無駄したことはもっと悔しい。
しかし、こういうときこそ「損して得取れ」の考え方です。
同じ失敗をしないためにはどうすればいいか、徹底的に考えてください。
「もう同じ失敗は繰り返さない! 無駄な時間は費やしたくない!」と。
失敗することで改善すべきところが判明します。
きちんと再発防止策を立てられれば、時間の使い方が向上して、次からスムーズに仕事をこなせます。
テレビの見過ぎで時間を無駄にしてしたこと悔やんだら、テレビを見ないようにします。
SNSやスマホゲームのやりすぎで時間を無駄にしたことを悔やんだら、アプリを削除してしまえばいい。
睡眠を削ったせいで、日中のパフォーマンスが悪くなって時間を無駄にしたことを悔やんだら、次から十分な睡眠を心がけます。
過ちを犯し、自分が痛い目に遭うことで教訓が得られ、教訓を生かすことで行動が改善されます。
時間の無駄をなくすには、最低でも1回は失敗が必要です。
うっかり過ちを犯すことは誰にでもあります。
時間を無駄にしたことがない人は一人もいません。
時間を無駄にすることがあれば「損して得取れ」の考え方で、今後に生かしてください。
失敗で時間を無駄にした悔しさを、建設的な方向に向けましょう。
マイナスがあっても、バネにすれば、プラスに転じます。
時間の使い方が向上すれば、長い目で見たとき、失った時間以上の時間が得られるのです。