「忙しい」は、禁句にしておくのが賢明です。
「忙しいときに『忙しい』と言うのは普通ではないか」と思うかもしれませんが、注意したい発言です。
少なくともポジティブな言葉ではありません。
頑張っている自分をわかってもらうために「忙しい、忙しい」と多忙をアピールする人がいます。
これは逆効果です。
かっこいい言葉どころか、むしろかっこ悪い言葉です。
「忙しい」というセリフは「私は仕事のできない人間です」と言っているのと同じです。
忙しさは、うまく仕事を処理できていないことの証明です。
仕事能力のアピールになるどころか、仕事ができないことのアピールになってしまい、管理能力の欠如を露呈することになります。
忙しいと言われた相手も迷惑です。
明るい言葉ではないため、相手は元気を奪われます。
どんよりした空気になってしまい、会話を続けにくくなります。
あまり言い過ぎると「気安く話しかけないほしい」という意味に受け止められ、人に距離を置かれるでしょう。
多忙をアピールしたところで良いことはないのです。
「忙しい」と言いそうになったら、大統領や首相を思い出してください。
大統領や首相は、世界一忙しい人と言われています。
毎日、分刻みのスケジュールであり、朝から晩まで予定がびっしり詰まっています。
しかも忙しいだけでありません。
仕事の一つ一つが国の運営に関わる重要なものであり、ミスや失敗が許されないものばかりです。
にもかかわらず、大統領や首相は「忙しい」という言葉を口にしません。
「仕事が大変」という言葉すら口にしません。
詳しく知りたい方は、新聞の朝刊に「首相の1日」「首相動静」という記事が毎日掲載されているのでチェックしてみてください。
分刻みの多忙なスケジュールに度肝を抜かれるでしょう。
テレビで見るときは平静を装っていますが、実際はたくさんの仕事をこなしていて分刻みで動いています。
風邪を引いている暇はありません。
きわめて多忙な大統領や首相を思えば、自分の忙しさなんてかわいいものだと気づかされます。
恥ずかしくて「忙しい」と口にできなくなるのです。