多くの人が直線コースの人生を目指しています。
よい大学に進学して、一流企業に就職して、運命の人と結婚する。
幸せな家庭を持ち、子宝に恵まれ、自分の家を持つ。
遅れもトラブルもなく、コースから脱線することもなく、とんとん拍子の人生であってほしい。
たしかに真っすぐの道は気持ちがいいでしょう。
効率がよくて無駄がなく、思いきりスピードを出せて疾走感を楽しめるに違いありません。
真っすぐの道なので、安全運転ができるでしょう。
しかし、直線コースが楽しい人生につながるとは限りません。
むしろ直線コースほどつまらない人生はありません。
直線コースの人生は、直線の道路を走るようなものだからです。
直線の道路を延々と走り続けているところを想像してみてください。
すいすい前に進めますが、淡々と風景が過ぎるだけになって単調でしょう。
ハンドルを切ることもなく、変化や刺激が乏しく、面白みが少なくなるでしょう。
ひたすら直線の道が続いているとあまりに単調で、だんだん眠気が出てくるはずです。
うとうとして事故を起こしそうになるのです。
直線コースだけが正解ではありません。
効率やスピードだけがすべてではありません。
人生は、曲線コースが面白いのです。
効率が悪くてよし。
くねくね曲がる道だから、いろいろな景色を楽しめます。
さまざまな変化が生まれ、いろいろな刺激に恵まれます。
スピードが遅くてもいいのです。
スピードが遅いから心に余裕が生まれ、周りの景色をじっくり眺めることができます。
留年も中退も悪いことではありません。
「遠回りを楽しんでいる」と思えばいいことです。
失恋も離婚も悪いことではありません。
「新しい人生の幕開け」と思えばいいことです。
転職や退職も大いに結構です。
「人生の方向転換」と思えばいいことです。
人生をエキサイティングに生きたいなら、直線コースより曲線コースを選ぶのが正解です。
とんとん拍子の人生より、つまずいたり曲がったり立ち止まったり人生のほうが豊かです。
そこには変化と刺激に富んだ世界が広がっています。
曲がり道の多い人生だから面白いのです。