コミュニケーション能力の基本とは、何でしょうか。
「立派な回答ができること」
「印象的な表現ができること」
いきなり話す練習から始めるのもいいですが、その前に心がけたいことがあります。
話す内容を、まず紙に書いてみましょう。
書く練習は、話す練習にもなるからです。
面接で嘘を言うのはいけません。
履歴書を書くときと同様、嘘を言うのは経歴詐称になります。
また、1つ嘘をつけば、その嘘を補うために、また別の嘘が必要です。
面接では敬語が必要です。
面接官のほうが立場が上になりますから、確実に敬語が必要になると思っていいでしょう。
たとえ面接官が年下でも、立場が上なら、やはり敬語を使うのがマナーです。
面接で話をするとき、前置きをすることがあります。
前置きとは、本題に入る前に述べる言葉です。
どんな話でも、前置きをすればいいわけではありません。
面接での受け答えに、くどい話し方は不要です。
面接で答える際は基本的に、結論から話すようにしましょう。
たとえば「長所はどこですか」と聞かれたとします。
知的な印象を出したくて、難しい言葉や表現を使いたいと思う人もいるでしょう。
専門用語を多用すれば、プロフェッショナルのような印象を出せそうです。
故事やことわざで表現すれば、発言も立派に聞こえるでしょう。
面接では、口頭でのやりとりが中心です。
実際に声を出して、質問の受け答えをします。
受け答えと言えば「就業意欲を伝える」「簡潔にわかりやすく返事をする」など、回答内容に注意が向くのではないでしょうか。
面接では、緊張する人が大半です。
初対面の人と会って、いきなり詳しく自己紹介しますから、やはり誰でも心が張り詰めます。
この緊張のせいで、面接では、早口になる人が多いのです。
肯定する言葉は、いくつか種類があります。
「はい」
「まあ」
面接では、事前に聞かれるであろう質問の返事を準備します。
予想した質問がくれば「待っていました」と言わんばかりに、すぐ答えられるでしょう。
すぐ答えたほうが、頭の回転が速い印象を伝えられるだろうと思いますが、実際はどうでしょうか。
面接官から質問されたとき、あるプレッシャーに悩むことがあります。
「早く答えなければ」というプレッシャーです。
もたもた考えていると「優柔不断。自分の考えを持っていない」と誤解されるように思えるため、即答したくなります。
面接で質問に答える際、より印象をよくする工夫があります。
質問は、復唱してから答えましょう。
たとえば「自己PRをお願いします」と言われれば「はい。自己PRですね」と言ってから、答えます。
面接は、堅苦しい雰囲気が一般的です。
「場を和ませるために、笑いを誘ったほうがいいのではないか」と考える人もいるのではないでしょうか。
たしかに欧米では、会議やプレゼンにユーモアを含ませ、場の雰囲気を和ませる手法がよく見られます。
大きな声と小さな声。
どちらも、ふさわしい声ではありません。
面接では、声のボリュームを調整して、ちょうどいい大きさが一番です。
企業に電話をするとき、元気のない声になっていませんか。
小さく弱々しい声で、こんな一言があるとします。
「○○大学の○○と申します。面接に不明点があり、お電話させていただきました。ただ今、お時間、よろしいでしょうか」
面接での受け答えには、意欲や熱意が伝わりやすい言葉を選ぶことが大切です。
「できるだけ力強い言葉を使って、採用担当者の印象に残るような言葉にしたい」
そう思うとき、多くの人が陥りやすい過ちがあります。
面接官の質問に対して、あなたは返事をします。
その返事には「たとえば」が含まれているでしょうか。
面接官の質問に対する返事には、できるだけ「たとえば」を含めるようにしましょう。
きれいな回答でも、定番なら、避けたほうが賢明です。
定番の回答は、採用担当者の印象に残りにくいからです。
たとえば「尊敬する人は誰ですか」と聞かれたとします。
面接での受け答えは、できるだけ抽象的な表現は避けましょう。
抽象的は、想像しづらく、印象が弱くなります。
たとえば、面接官から、学生時代の過ごし方を聞かれたとします。
自己PRや志望動機で、言葉を強調するテクニックがあります。
現在進行形で締めくくることです。
たとえば、次の2つの文章を読んで、どちらが印象的に感じますか。
就職活動では、意欲や熱意が大切です。
意欲や熱意があるから、仕事も精力的に取り組んでいるだろうと期待し、採用につながります。
しかし、この意欲や熱意を、誤解している人がいます。
面接では、話し方が大切です。
淡々と話すのは、間違っていませんが、正解でもありません。
いくら話す内容が立派でも、淡々と話していると「本当にやる気があるのか」と思われるでしょう。
できるだけ印象的な表現を使いましょう。
「意味が伝われば十分」と思いますが、もう少し深く考えたいところです。
「別の表現を使って、さらに強調できないか。もっと印象的にできないか」と考えてみましょう。
なぜ、発言が棒読みになるのか。
それは、回答を丸暗記しているからです。
回答を丸暗記していると、答えるとき、そのまま発言してしまいがちです。
面接官の話を聞くとき、ぼうっとしていませんか。
話を聞くときは、じっとしてしまいがちですが、要注意です。
表情も態度もリアクションがないと、面接官は不安になります。
もともと、話すのが下手という人もいるでしょう。
緊張すれば、話し方がたどたどしくなるのは当然ですが、緊張していなくても、話し方がたどたどしくなる場合もあります。
たとえば、吃音症です。
面接では、うっかり面接官の質問を聞き逃すことがあります。
自分の不注意もありますが、面接官も、早口だったり小さな声だったりすることがあるものです。
とっさに「えっ?」と聞き返すことでしょう。
自分の話し方を振り返ってみてください。
「えー」
「あのー」
面接の最後は「何か質問はありますか」と聞かれるのが、定番です。
必ず聞かれると思っていいでしょう。
無理に質問を作ってでも、できるだけ何か質問をすることをおすすめします。