ボクシングでは、休憩に入ると、おなじみの光景があります。
コーナーの椅子に座るやいなや、頭から水をかぶせられるシーンです。
汗や出血などを一度にきれいに洗い流す意味もありますが、それだけの意味ではありません。
実際、あの水は、かなり冷たいです。
氷水です。
頭を冷やしているのです。
これはボクシングだけではなく、ほかのスポーツにも見られます。
サッカーでもラグビーでもマラソンでも、試合の途中に、水を頭からかぶったり飲んだりする光景があります。
体を冷やすためです。
試合中、必死になるほど、体も頭も熱くなります。
熱くなるのはいいのですが、熱くなりすぎるのはよくありません。
熱くなりすぎると、ぼうっとします。
熱さも、一線を越えると、体にとって害になります。
真夏の炎天下では、頭がぼうっとしますが、同じ状況です。
体が重くなり、思考力が低下するのです。
ちなみにさらに熱くなると、生命の危険にも関わります。
風邪を引いたとき、熱が40度を超えると、命に関わる話と同じです。
「試合に熱くなる」とよく耳にしますが、実際熱くなりすぎるのは、試合にも健康にもよくないのです。
そういうときこそ、道具の力です。
試合には、冷たいものを持参しましょう。
冷たいタオル、冷たい水、氷などです。
試合中、冷たいタオルをおでこや頬に当てると、頭が冷えます。
試合中の水分補給では、できるだけ冷たい水が最適です。
冷たい水が体内に取り込まれることで、水分補給と同時に、熱くなりすぎた体を、体内から冷やせます。
場合によっては、頭から水をかぶるのもいいでしょう。
冷たいものに触れると、物理的に体が冷えます。
体が冷えることで、熱くなっていた肉体や精神が落ち着いてくるのです。
一瞬にして、正常な思考が戻るのです。