人にも一期一会がありますが、会話にも一期一会があります。
そのときの会話は、もう二度と味わえません。
会話は、単に言葉の羅列だけではないのです。
会話はライブです。
生演奏です。
別の機会に同じ会話の状況を再現しようとしても、無理です。
会話には、そのときの雰囲気、時間、体調など、さまざまな条件が重なっています。
条件が少し変わるだけで、会話の流れ方、勢い、印象が微妙に変わってきます。
極端に言えば、少し腹が減っているだけでも、会話の流れ方や印象が変わるものです。
腹が減っていると、相手の話を聞き取りにくくなる。
そういう意味で、会話は常に最初で最後。
「同じ会話は二度とできない」
取り返しがつかない意識を持つことが大切です。
話す態度や聞く態度が、真剣になります。
一瞬、一秒を大切に、話をしようと思うようになるのです。
たとえば、私が今あなたにこの話をするのも、最初で最後です。
私はそう思っています。
文章ですから形として残りはしますが、別の機会に読むと、きっと印象が変わるでしょう。
「この話を前にも聞いたぞ」
そう思う時点で、やはり前回とは印象が変わっているのです。
そのときの時間や体調などの条件が変わるため、別の印象を受けるでしょう。
今この瞬間を、常に一生懸命に生きることが大切です。
そういうつもりで、私も今、一生懸命力を抜くことなく、全力で文章を書いています。
その熱意や気持ちが少しでも伝われば、幸いです。