執筆者:水口貴博

不況を乗り切る経営者の30の心得

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お金に余裕がないとき、判断力は著しく低下する。

お金に余裕がないとき、判断力は著しく低下する。 | 不況を乗り切る経営者の30の心得

夜の町、ネオン街を歩いていると、融資をする看板やチラシを見かけます。

「電話1本、審査なし」

「即日で30万までご融資いたします」

「他社で断られた方でも問題なし」

誰がみてもヤミ金であることは明白です。

明らかに怪しい。

「こんな広告に引っかかる人はいるのか」

これがいます。

引っかからないのは、今あなたがお金に困っていないからです。

借金を背負い、1円でもいいからお金を必要としている人は、この種類の広告に釣られます。

たとえヤミ金に手を出してはいけないとわかっていても、手を出しているのは、お尻に火がついているからです。

お金に余裕がないときは、冷静に考える余裕もない。

切羽詰まっているときには、自制心を失いやすい。

普段は当たり前のようにわかることでも、わからなくなってしまいます。

弱っているときには、普段騙されないような言葉にも誘惑されやすくなります。

人間は、弱っているとき、冷静な判断力を失います。

不況で会社があえいでいるときも同じです。

お金がなくて、困っているときには、判断力が著しく低下します。

不況で少しでも会社にお金があればいいと思っていると、社長の経営判断が弱くなりがちです。

「自分は今、余裕がないな」

そう感じたら無理をせず、ほかの人と一緒に話し合うことです。

会社内のほかに頼りにできる人間と話し合い、慎重になります。

これは社長に限った話ではありません。

部長でも課長でも同じです。

人間、お金がないときには、あらゆる判断力が低下します。

情緒も不安定になり、自暴自棄になりやすい。

他人の協力を仰ぐというのは重要なことです。

自殺者の原因を調べると、常に「借金」が第一位です。

それはお金がなくて余裕がなくなり、誤って死という選択をしてしまったからです。

判断力だけでなく、情緒も不安定になると、そういう判断ミスまでしてしまう。

お金がない人は、自分で考え、決めてはいけない。

どうしても冷静に考えられなくなります。

必ず頼りになる人と話し合えばいい。

弱さをさらけ出し、助けを求め、相談や助言を求めます。

複数人で知恵を出し合い決定しましょう。

「今、何をどうするべきか」

「この大変なご時世、どうすれば生き残ることができるのか」

自分一人で抱え込むのではなく、頼りになる誰かと話し合えば、取り返しのつかないミスを防ぐことができることでしょう。

意外な突破口を見いだすことができるはずです。

「お金がないとき、人間はあらゆる余裕がなくなる」

その法則を知っているだけでも、不況は乗り越えやすくなるのです。

不況を乗り切る経営者の心得(24)
  • 資金に余裕がないときほど、重要な決断は複数人でする。
無理な買わせ方で売り上げを伸ばした会社ほど、不況時にあえぐ。

不況を乗り切る経営者の30の心得

  1. 大不況こそ、企業の害毒を一掃する最高の機会。
  2. 経済を変えようとするのではなく、会社内部を変える。
  3. 過去の成功にしがみついている企業は、一瞬で不況の波に飲み込まれる。
  4. 不況に合わせて事業内容を変えることが、一番の不況対策。
  5. 給料が上がらないのは「期待を超える仕事」をしていないから。
  6. 「国や政府が助けてくれる」という期待は捨てる。
  7. 不況時、本物は生き残り、偽物は消えていく。
  8. 楽をして成長を急ごうとする企業は、不況にもろい。
  9. 時間のかかった成長ほど、不況に強くなる。
  10. 手抜きをしがち見えない部分を、あらためて強化しよう。
  11. 「強い者、頭の良い者が生き残るのではない。
    変化するものが生き残るのだ」
  12. もたもた始める改善は、思ったほど不況対策にはならない。
  13. コンコルドの失敗には、不況を乗り切る教訓が隠されている。
  14. 社員が陰で会社の悪口を言っているところは、倒産しやすい。
  15. いくら不況でも、お客さまへのサービスは手を抜かない。
  16. 不況を乗り切るには、お客さまへのサービスを強化・充実させればいい。
  17. 不況のときこそ、海外旅行へ行け!
  18. 「辞めたい」という社員を、無理に引き止めない。
  19. 不況の突破口は、お客さまからのクレームだった。
  20. 大不況のときこそ、社長は一番元気でいなければいけない。
  21. 頑張った人を表彰するイベントを、定期的に設ける。
  22. 現金をもらって、嬉しくない人はいない。
  23. 「不況」「不景気」という言葉は、禁句にする。
  24. お金に余裕がないとき、判断力は著しく低下する。
  25. 無理な買わせ方で売り上げを伸ばした会社ほど、不況時にあえぐ。
  26. 本当にお客さまの役に立ち、喜ばれている会社に、不況は関係ない。
  27. 調子が悪いときほど「夜遅く」ではなく「朝早く」。
  28. 希望退職者を募集すれば、穏便に人の削減が可能になる。
  29. いきなり人を切らない。
    「ワークシェアリング」と「教育」で乗り切れ!
  30. 不況とは、忘れかけていた何かを思い出させてくれる時期。
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